第153話 御きつね様? (5)

『あららら……』


 なんか良く解らない事を空中で述べているよ。十二単のお姉さん……。そんな事を述べてくると、俺ちゃん家のおかあちゃんにお尻を叩かれてしまうから。訳解らない事を述べないでおくれよ。


 本当に俺ちゃん、困ったちゃんになってしまうからね。


 と、いう事だから。家のカミさんから『抜き足差し足忍び足……』と、後退を始める俺……とにかく一旦退避!!


 何処かに隠れてやり過ごそう! (汗!)


 家のカミさんが、『あなたぁ~? あなたぁ~?』と、泣いて探しにくるまでは、何処かに隠れていようか!?


 と、俺は心に決める。


『よぉ~し! では退散!』


 そう心の中で叫んで──この場を飛んで立ち去ろうと決めたのだけど!


「あなたぁ、あああああああああああああああっ! 何処へ行くつもりです?」


 う~ん、直ぐにばれてしまったようだよ!?


 俺が逃げようとしている事……。


 でもこの場から逃げようとした事が、家のカミさんがにばれたら又八つ裂きにされそうだから!?


 取り敢えずは何とか誤魔化さないといけないと思ったよ?


「いっ、いや……空に浮いてる、あの女性の近く迄行って──顔の確認と! あの人の人違いだと説明をしてこようと思ってね? (笑)」


 まあ、こんな感じで家のカミさんに誤魔化したよ! (笑)


 俺は全く逃げる気はないと、家のカミさんに誤魔化した……。(汗! 汗!)


「行かなくていいです! ここにいなさい! あなた解りましたか!?」


「えっ? あっ、うん、分かったよフレイヤ……でも後で俺を怒らないかい?」


 う~ん、空に浮いてる十二単のお姉さんの所に行っては駄目だと述べてきた──家のカミさんだけど。後で俺はお尻を叩かれるのが嫌だから。『怒らない?』と、尋ねたんだよ。


 だってさ、先程一人オジさんを精霊にして若返りさせて町へとお蝶を呼びに行かせたのも思いだしたんだ!?


 一対一でも分が悪いのに……このままだとお蝶が来て、二人のカミさんに俺は責められて!


 拷問の刑……その後は町内引き回しの刑に合いそうな気がするよ。(汗! 汗! )


 だから取り敢えずは、うちの筆頭奥様に尋ねてみたのだけど?


 う~ん、どうだろう?


 フレイヤ……許してくれるかな?

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