第145話 何かしら付いてきました? (76)

 それにさ、フレイヤの容姿を見るときの、お蝶の様子がまた変でね。『トロン』とした虚ろな目と顔をしながら、如何にも心から崇拝をしていると、いった感じでフレイヤを見ているよ。


 だからね、先程 家族三人でいたのだけど。俺だけ除けとうか、家族間で仲間外れにされた気がしたよ。


 だってさ、フレイヤがくるまでは、俺の事を『チュキチュキ 愛しています』と、いった感じだったのに……



「うぉ、おおおおおおおおおおおおおおおっ!ごっ、吾作──貴様も、う、うさちゃんかぁ、ああああああっ!」


「「「ええのぉ、おおおおおおっ! ええのぉ、おおおおおおっ!」」」


『……ん?』何か、爺さんと婆さん達の歓喜の声が聞こえてきたね。


 う~ん、どうやら俺が一人で、先程の出来事を走馬灯のように思い出し、思案をしていると。


 先程の首チョンパの爺さん、若返りして精霊になったみたいだね。そんな容姿の爺さんを見て──うちのカミさんも、腰に手を当てて『うんうん』と、いった感じで、頭を縦に振り。その後はウサギ男に対して「貴方は確か吾作でしたかね?」と、尋ねたら。「はい、フレイヤ様……」と、答えたよ。するとさ、うちのカミさんは。


「では、先程述べた通り、町に馬で戻って──お蝶に町の者を集めさせて、この砦の掃除と修復をするようにと伝えてきなさい」


 と、述べた。


「ハイ! 解りました、フレイヤ様! 行って参ります……あっ、それと、こんな容姿にして頂いて、この御恩は一生忘れません……本当にありがとうございました」


 吾作爺さんは、大変に喜んで──そして勇んで? 慌てて俺達の前から姿を消したよ。まあ、大変に嬉しそうに。



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