第118話 何かしら付いてきました? (50)

「女王さま、ありがとうございました」


 ウサギ男 田は "わらわ" にこのように、お礼を述べてきたのですが。 "わらわ" は直ぐに "? "と、思いました。

 だってぇ、ウサギ男 田には憎まれ事があるとしても、彼にはお礼を述べられる理由等は何処にもないのですから。


「……ん? 何の事でしょうかね?」


 わらわは、後ろを振り返る事もせずに、扉の方だけを向いて、田と話をしましたよ。だってぇ、後ろを振り返と、獣のような様子の、二人の雄と雌を見るようになるし。"わらわ" も恥かしくて目のやり場に困るので、絶対に振り向きたくはないのです。実際このように田と話しをしていても、彼の声は途切れ途切れの台詞を述べてくるし。荒々しい獣のような雄と雌の吐息と、嬌声交じりの声が聞こえてくるから。


 先程も述べた通り、絶対に振り向きたくはないのですよ。

 でも、乙女のように、恥じらっている "わらわ" に田は。


「ありがとう御座います、女王さま。貴方のおかげで、自分は若返りと、この活力と精力増強を手に入れました。だから何とお礼を申した良いか。言葉に表せないぐらい感謝をしています……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る