第99話 何かしら付いてきました? (31)
と、ぐらいしか思わなかったけれども。
今お蝶さんの話しを聞いて……。俺自身も成程と意味も解り納得が出来た。
「魔王様が住んでた世界では、そんな加護はなかったの?」
お蝶さん、またこんな感じで、不思議そうに俺に尋ねてきたから。
「いや、良く解らないし……。どうだったんだろうね?」
と、彼女に答えたらね。
「ふぅ~ん、そうなんだ?」
笑顔でそう述べながら、俺にまた甘えてきたよ
まあ、その後はね、二人でイチャイチャ戯れながらこんな会話を続けた。
「うん、それにね、とても豊かな世界だったから」
「へぇ~、そうなの?」
「うん、人口もとても多くてね。大きな建物や煌びやか建物も沢山ある世界だったよ」
「ふぅ~ん、そうなんだね、魔王様……?」
お蝶さん相変わらず、こんな感じで日本の話しを興味津々で聞いているよ。
まあ、そんな彼女に俺は「うん」と、笑顔で答えた。
すると、お蝶さんは口を開いて、「でも、いいな、魔王様は?」と、俺に尋ねてきたから「えっ? 何が?」と、俺は不思議そうな顔をしながら答えたよ。
「また帰るんでしょ、その世界に?」
彼女の質問を聞いて、『あああ、この事か?』と、思った。
だけど俺では判断が出来ないから。
「ん? どうなんだろうね? カミさんが帰るといえば帰るだろうし? この世界で生涯暮らすと言えばこの世界で暮らしていくと思うし? 別の世界に行くとなればまた別の世界に移動をして行くと思うよ? 家のカミさんや家臣達と……」
「ふぅ~ん、そうなんだ……。いいな、魔王様は……」
「ん? そうかな?」
「うん、そうだよ。……う~ん、やっぱり、魔王様。私を貰ってよ……」
うゎ、どうしよう……。またこの話しに戻ったよ。
でもね、
本当にそれこそ、お蝶さんの命の方も不味いから……。
「いっ、いや、あのね、先程から何度も言っているけれど。
「ん? いいよ、怒られても……。私も一緒に怒られてあげるから」
「いや、そういう問題では無いし、怒られて済むかどうかも解らないよ? それこそお蝶さんにも迷惑が掛かるし。命の方も不味いよ……」
「いいよ、殺されるなら、殺されても……。特にこんな生活をまだ続けて行かないといけないと思うと死んだ方がましだから……」
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