第84話 何かしら付いてきました? (16)

「あのさ、何で町長さん達は、この店にいるの?」


 俺がね、こんな感じで、フレンドリーに町長さん達に尋ねたの。


「えっ? あああ、実はですね、先程精霊にしていただいた田さんですが、本当にこの店に入ったので、後を付けてきたんですよ」


 まあ、こんな感じで、小さな声で俺に教えてくれたよ。どうもうさぎのオジサンがこの店に入ったのを確認したから、皆で気になって後を追うように入店をしたみたいなんだよ。


 だからさ、俺は、町長さん達に「へぇ~そうなんだ」と、又軽く返事を返した。

 でもね、その後にね、付いては入ったら何か、町長さん達には良い事があるのかな? と、考えたよ。


 町長さん達はもう体力精力共に衰退をしてると述べていたからね。


 まあ、気の毒だが、こんな様子のお爺さん達が、わざわざこの店にと思うじゃない?


 人が入っても自分達には用事がないのだから。


 取り敢えずは気になるから、俺は又町長さん達に尋ねる事に決めた。


「う~ん、うさぎのオジサンが入ったのは解ったけれど。なんで町長さん達が、お店の中に……?」


「あああ、実はですね、魔王様。先程 田さん、体が若返ったと述べていたではないですか?」


「えっ? あああ、言っていたね。体力も精力も若い頃よりも充実してると言っていたよね?」


 う~ん、そうなんだよ、町長さん達の話しの通り。お連れのうさぎのオジサンさん『若返った! 若返った!』と、大喜びしながら、その場で『ピョンピョン』と、跳ねていたの、俺もふと脳裏に回想シーンを走馬燈のように思い浮かべた。


「でしょ、魔王様?」


「あああ、うん……。言っていたね……」


 まあ、俺も思い出したから、町長さん達にそう述べたんだよ。


「だから田さんの述べている通り、実際に本当に精力が戻ったのか調べてみようかと?」


「えっ? そんな盗み聞きみたいな行為をして、店の人に怒られないの?」


 俺素直に思ったんだよ。盗み聞きなんて犯罪行為になると思うから。

 するとさ、町長さん、不思議そうな顔を俺に始めだした。

 その後は口を開いて「えっ? この店ですか?」と、俺に尋ねてきたよ。

 だから「うん、そうだよ、店の店主に怒られないの?」と、俺は不思議そうな顔をしながら町長さんに尋ねたのだが。


「あああ、この店はワシに店ですから大丈夫ですよ」


 町長さんは俺に直ぐに答えてくれた。


「えっ、マジ?」


「はい、本当です、伊達にこの町の町長はしていませんから……」


 町長さん口の端を釣り上げながら『ニヤッ』と、薄ら笑み浮かべながら、意味あるように俺に述べてきたよ。

 俺はその話しを聞き、「はぁ、なる程……」と、声を漏らしながら思った。町長さんは、この町の裏の社会も牛耳っているみたいだね。



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