第73話 何かしら付いてきました? (5)
「女王様連れて参りました──」
骨のオジサンの言葉に、両手を腰に当てて──威厳があるように見せようと思っているのか?
「うむ、宜しい、貴方は下がりなさい」
「はい、分かりました女王様」
おおお、何か今の感じ、女神様というよりも、女魔王様といった感じで、本当に悪役ポイと真剣に俺は思ってしまった。特に家のカミさんの容姿からしてもこっちの方が似合うし、本職なのではと真剣に思ってしまったぐらいだからね。
と、思っていると、町の有力者らしい、おじさんの一人が口を開いた。
「あっ、あの、私達に何用で御座いましょうか? 出来ればこれ以上町の者達に酷い事をしないでもらえると助かるのですが」
震えながらオジサンさん、俺達夫婦に述べてきたから。
「えっ? あああ、そうですね」と、俺はついついと同情して声を漏らしてしまったんだよ。
するとさ、
「あなた──」と、いきなり憤怒しながら、俺に声を掛けて睨んできた。
それもさ、又サド仕様で紅玉の瞳で俺を睨むから、ついついとね、「ごめんね」と、カミさんにビビッて述べてしまった。
ううう……。情けない、俺で本当にすいません……。
そんな事を思いながら、自身の頭をかきながら、申し訳なさそうに
俺の事などもう何も気にしていない素振りで、今度は町のオジサン達を睨んで──ひと間開けると口を開き始めたよ。無理難題を述べる為に。
「もう貴方達や、町の者達には酷い事はしません」
おおお、どうしたの
何か良くは解らないけれど。町の人達にこれ以上害を与えないと述べたよ。俺もさカミさんの言葉を聞いて安堵した。
やはり美と豊穣の女神フレイヤ様だと思ったぐらいだから。
「「「うっ、うぉ、おおおおおおっ!」」」
「ありがとう御座います、ありがとう御座います……」
「おっ、お嬢さん……。本当にありがとう御座います。助かりました……」
するとね、こんな感じで、周りからと、いうか、町のオジサン達からも歓喜のの声があがったよ。
だから俺自身も余計に良かった思いながら安堵して、カミさんを褒め称えてやろうと見てみたら。
……まだまだ、サドモードのお顔は、解いていらしゃらなかった。俺の奥様は……。
と、なると、カミさんの冷たい紅玉の瞳で、また町のオジサン達を睨み口を開く
。
「誰が、お嬢さんですか? ……今誰が
うわぁ、ああああああっ!
又
それにさ、またフレイヤ自身に『スイッチが入ったらどうしようかと?』と、悩み始めるよ。
だから町のオジサン達に、早く逃げろと述べたいけれど。そんな事をすれば多分、町の残りの人達は無差別で皆殺しにするだろうと思うし。
う~んでもさ、見ていて痛々しいんだよ。町のオジサン達──だって、みんな正座しながら震えているから。
このままでは、少しばかり俺もかわいそうだと思うから。カミさんに対して口を開いたよ。
「なあ、フレイヤ?」
「ん? 何ですか、あなた?」
「あのさ、こちらの要件をオジサン達に述べるだけ述べて──それに従ってもらうだけでいいじゃん? 命まで取るのはかわいそうだよ。なあ、許してやれよ。女神様なんだから」
俺取り敢えず、町のオジサン達を庇ってやったんだよ。本当に心から俺自身も見ててかわいそうだと思うし。それにオジサン達を庇ってやったら。今度は俺の方を向いて、皆で俺に向けて──キラキラお目めで嘆願の眼差しを送ってくるんだよ。両手を併せて。
だからどうにかしてあげたいと思うけれど。こうなったら夫婦喧嘩でもして、カミさんを泣かしてやらないと、止まらないんだよ。
俺もそうしてもいいのだけれど……。出来ればね、俺自身もカミさんに惚れているから余り泣かしたくはないんだよ。本当にかわいそうだから。
まあ、俺自身、そんな事を色々考えているとね。家のカミさん今度は俺を睨み始めたよ。マジで面倒くせぇ……。
「あのね、あなた……」
「えっ? あああ、どうした?」
カミさんが俺に何を述べたいのかは、大体は解ってはいるけれど、知らん振りをして誤魔化してみたけれど。
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