第30話 夫婦喧嘩になるのかな? (9)

 何度もさ、俺の心の奥底から、誰かが話しかけてくれていたのにね……。


 そう、『この女と係わると、ロクな事に覇ならなし、殺されてしまうぞ……。この女は見た目容姿は美しいが、心の中身は自分自身の出世の為の欲望心と快楽を求めることしかしない、悪しき心を持つ女だから関わるな、わかったな?』と、何度も俺の心の中で囁いてくれていたのに……。


 実際俺の心の中で囁いてくる、誰だかわからない奴の言葉通りで、女神フレイヤの両耳には、彼女の悪しき邪な思いの象徴たるエメラルドグリーンの魔王増幅アクセサリーが『キラ~ン! キラ~ン!』と。フレイヤ自身のように、邪に光輝いているのにね……。


 俺は自身の心の中で囁き忠告してくれた者の意見を聞かずに、ついついと、妖艶魔女 女神フレイヤの外面の美しさに魅かれたのと。


 若気の至りと言う奴で、ついついと、俺自身も好奇心も沸いてしまって、空から降り立ったのが、そもそも間違えだったと、今頃になって後悔をしているよ。


 あああ……。本当に降り立った事自体が、そもそもの間違えだったと、俺は後悔をしている。


 う~ん、でもさ? 今更後悔をしてもしょうがない、するだけ無駄だから……。


 それよりは? 今現実に俺自身に起きている難題をどう処理するのかを思案した方が良いと? 自分自身に言い聞かせた。


 と、言う事で、俺自身も意識を持ち直し、気を高める事が必要だ……。


 この妖艶魔女に気落ちをしたら駄目だ!


 未だ諦めるな! 何か策はある筈だ?


 俺自身もこの妖艶魔女 女神が、鼻で笑った醜い姿のお陰でね、力と武力……。


 多分? 性力も魔力も人間でいた頃よりも上がっている筈なのだよ。


 だって、俺が人間の頃には空を飛べなかったのに、今は俺自身が、空を飛び駆け抜ける事が可能なのだから、抵抗を試みてみるか?


 妖艶魔女女神に……?


 も、もしも、仮に? 女神フレイヤが最初に俺に告げた言葉……。


 本当に俺が、妖艶魔女 女神の死んだ夫の生まれ代わりなのだとしたら……。


 こんな化け物を妻に出来る程の男と言う事だから、力自体はかなりあるのではないかと思う?


 でッ、ないと?


 先程俺が言葉を漏らした通りで……。


 俺に守って欲しいと嘆願をしてこない筈なのだよ?


 だって妖艶魔女 女神フレイヤの両耳には、自身の邪な快楽で得た、魔力を最大まで増幅出来る、エメラルドグリーンの魔法アクセサリーが、『キラキラ』と、輝きながら付いているにも関わらず、俺自身に助けてくれと嘆願をしてくるところ……。


 多分本気になれば、俺の方が魔王フレイヤよりも強い筈なのだと思う……。


 だから俺は魔王フレイヤに気落ちをすることなく、憤怒しながら怒号を放ってやる事に決めたよ!


 だから妖艶魔女 女神に負ないよう頑張るから、皆応援をお願い!


 地元の街は、俺が命に代えても、魔王フレイヤから守るからね……。


 よぅ~し! では、反撃の狼煙をあげるかぁああああああっ!


 と、俺は思うと、薄れていた自身の目を大きく開けて──。


 魔王フレイヤへと口を開いたよ。





 ◇◇◇◇◇

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