第27話 夫婦喧嘩になるのかな? (6)

 と、なると?


 俺の腹部を両腕で締め付けてくる淫乱女神は甘えてきているわけではない。


 俺を殺す気で、自身の両手に魔力? 神技になるのかな?


 一応は魔女のようなフレイヤだけれど、美と豊穣の女神様らしいしね?


 まあ、俺としてはどちらでもいいのだが……。


 とにかく女神フレイヤは自身の両腕……。


 特に二の腕に関節辺りに、邪なエメラルドグリーンの両耳の魔法アクセサリーを綺羅つかせて、魔力を増幅──。注入しているのが、俺の目から見てもわかるのだよ。


 だってさ? ギュッと、女神フレイヤの二つの二の腕の関節辺りや握り併せている両手に力が入る度に、邪なアクセサリーが妖艶に光り輝き始めるのだよ。


 キラキラと……。


 まあ、こんな様子の女神フレイヤだから、もしかすると? 最初っから前夫の産まれ代わりである俺を殺す気で探索をしていたのかも知れないね? と、思うと。


 女神フレイヤが先程俺に甘い言葉で何度も囁いてきた。


『あなたの事を愛しています……』


『もう一度、やり直しましょう、あなた~』


『ずぅ~と、あなたの事だけを想い、探していたのですよ~』


 これは全部嘘偽りだと言う事なのだ……。


 でッ、魔女フレイヤの本心は最後に漏らした言葉……。


『殺してやる……』


 これが本心だと言う事なのだ。


 と、言うことで、俺も淫乱女神にこんな悪意のある言葉を吐かれて、黙って殺される訳にもいかない。


 それに、俺を最初っから騙している淫乱女神の事が、頭にきて仕方がないから、また、暴言を吐いてやる事に決めたのだ。


「わりゃ、みてみいやぁあああっ! 最初からワシを騙して、殺す気でここへ来たんだろうが──うそばぁっかつきやがってぇえええっ! 何が主人じゃ! 夫じゃ! 愛しちょるとか嘘ばっかぁつくなよ。くのくされ淫乱女神がぁああああああっ!」


 まあ、こんな感じで広島弁を交えて威嚇──!


 淫乱魔女 女神に俺は怒号を放ってやった──!


 するとさ、女神フレイヤの邪なエメラルドグリーンのアクセサリーがまた、妖艶に光り輝きだしたよ。


 それを凝視した俺は不味いと思い!


 直ぐに行動を起こす事に決めたよ。


 だって女神フレイヤの両腕に『ギシギシ』と、また力が入ったのが、俺自身にも直ぐに分かったからね……。


 う~ん、本当にこのままの状態だと、俺自身冗談抜きで、女神フレイヤの両腕で胴体を真っ二つにされてしまう。


 だから俺は取り敢えず、女神フレイヤにまた、「わりゃ、離れろぉおおおおおおっ!」と、怒号を放ち──。女であろうがお構いなしに……。


 淫乱魔女 女神フレイヤの美し顔を、俺の両手で、それも力一杯押しのけた──。


 するとさ、美と豊穣の女神様は、少しばかり変顔になった……。


 と、言うか? 俺自身が笑いそうなぐらい変顔になったよ!


 う~ん、でも?


 今の俺は、自身の腹部の下辺りが痛くて仕方がない状態だから、本当に笑う暇などないのだ。


 俺自身今は、本当に生命の危機に瀕している状態……。


 何とか速くこの状態から脱しないと──。


 俺自身の命が……まさに、風前の灯状態だからね。


 それに両手の攻撃だけではないからね、女神フレイヤの攻撃は──。


 の香りの方も更に増してきている……。


 だって今俺達が居る、このアーケードの商店街は、いつもは大変な人通りで賑わっている筈なのに……。


 今は人っ子一人いないと言うか?


 俺が辺りを見て確認をしたら、人という人……。


 それも、もう男性だけでは無く。老若男女関係なしに、みんな口から泡を吐いて痙攣しながら倒れているのだ。


 もう、それこそ、傍から誰が見てもわかるように、虫の息といった感じなのだよ。


 と、なると?


 この状況を自分自身の目で凝視したら流石に、女神フレイヤが殺す気満々なのだとわかるよね!


 それにさ、傍から見て──。俺の意識が良く持つよね?


 みなさんは思うかも知れないが?


 実はね、俺の方はと言うと?


 この淫乱魔女 女神フレイヤが、邪なエメラルドグリーンのアクセサリーの魔力を使用しながら、自身の両腕で、俺の腹部を絞めつけてくれているから、痛いの何のと、苦しくて嘔吐しそうなので。


 淫乱魔女 女神フレイヤの放つ香りを我慢出来ているのだよ。


 う~ん、でもさ?


 俺も先程から自身の腹部を、魔力を使用しながら絞めつけくる、超が付くほどの美貌の女神様のお顔を何度も力押しで押している状態だから──。


 俺に顔を抑えられて、相変わらず変顔状態になっている淫乱魔女 女神様は──。


 そろそろ限界? なのかな?


 更に低くてドスの聞いた声を俺に吐いてきたよ。それもこんな感じでね。


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