第20話 前世からの女性? (20)

 だから尚更無理だと思った。


 目の前のこの女性は、生涯俺一途でいられるタイプではないから、丁重にお断りをいれたよ。


 彼女がいくらわけのわからない事言ったり、俺の事をどう思うと知った事ではない。


 俺は何度も言うけれど、女神フレイヤ様の夫ではない、それになる気もないから……。


「いや、いやです、絶対に……」


「いやぁ~、と、フレイヤ様に言われても、俺自身も絶対に無理だから……」


 と、まで言いかけてる俺に。


〈ガシッ──! ギュ、ギュ、ギュ……〉


 女神フレイヤ様は濃厚に抱き着いてきた。


 その上、甘えてくるのだよ。


 大変に良い香りをまた振り撒き散らしながら、俺の脳が蕩けるような甘い香りをね。


 だから俺は、その香りを嗅ぎながら、と、自身に頭をふりながら自我を保とうと頑張る……。


 とにかく自分自身に彼女のまき散らす香りに酔うなと、叱咤琢磨したのだ。


 だって女神フレイヤ様が意図的にしているスキルなのか?


 それとも異性に甘える時に出すフェロモンの香りなのかは?


 俺自身もわからないけれど?


 この技? 能力? で、先程彼女をスマートフォンに収めようとした男達皆がその場で息絶えたんだよ。多分ね?


 自身の口から泡を吐き痙攣をしながら……。


 俺はね、先程泡を吐き倒れている連中を指で突いて確認もしたのだよ。


 でもね? その男達、口から泡を吐き、痙攣までしているのにさ?


 顔を良く凝視してみると──。


 泡を吐いてるのに、緩んだ表情──。


 極楽浄土にでもいるような、とても幸せそうな笑みを浮かべている、皆泡を吹きながら動かなくなるのに……。


 俺もさ、息のある奴らを何人かは、顔を張り手で叩き正気にと思ったのだけれど……。


 俺自身が未だ力の加減がわからない……。


 だから数人の男達の頭が何処かに飛んでいったのだよ。


 それで怖くなり、俺は途中で周りに転がっている男達の事を起こすのを辞めたのだけれど。


 う~ん、でもさ?


 今もね、少しばかり、そいつらをチラ見をしてみたのだけれど。やはりピクリとも動かないよ。


 だから女神フレイヤ様のと、言うか?


 この女神と言うよりも、魔女? 魔王みたいな女のフェロモン攻撃は?


 殺人、エロエロ、フェロモン攻撃なのだと俺は思う?



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