第18話 前世からの女性? (18)

 ……ん? 何だよ。この人は、本当に……。


 俺が自分自身の空を飛べる能力を自画自賛していたら、いきなり声をかけてきて……。


 それも悩んだような顔をして、俺を見ないで欲しいよ。


 う~ん、それにしても、この美魔女の女神様は、先程からの俺に、本当に馴れ馴れしい。


 特にこの女神様は、あの、例の問題ありの女神様だから……。


 あっ? ごめん……


 俺もこれ以上は、口を開かない方がいいかな?


 だって俺が今愚痴をこぼそうと思った女性は、仮にも女神フレイヤ様だからね。


 これ以上は、俺の口から蔑視べっしするのは辞めておく事にするよ。


 だって彼女は女神様で、女性でもあるわけだから、俺の口から独り言で、愚痴を漏らしたり蔑視べっしするのはやめて、また彼女と話しを進めるよ。


「……ん? いや、俺のこの容姿も、これは、これで、色々な事が出来るから悪くはないな! と、自画自賛していたら、思わず俺自身の顔が緩んだだけだよ」


 まあ、俺はこんな感じでね、女神フレイヤ様に話しかけてみた。


 するとさ、女神様は。


「ふぅ〜ん、そうですか? 余り一人でニヤニヤとして微笑んでいると、周りに居る者達が、気持ち悪がりますから、辞めた方がいいですよ。あなた……」


 先程まで女神フレイヤ様は、泣きながら俺の足を掴み挟みをして呼び止めてた癖に、見ず知らずの俺になれなれしい言葉を告げてきたよ。


 如何にも知っている者のように……。


 それも俺の事を意味深に『あ・な・た』と、呼ぶんだよ。


 だから大変に俺は困る……。


 ……ん? 何で困るかだって?


 いい女じゃないか~? だってぇ~?


 そりゃね、美と豊穣の女神様と言うぐらいだからね。本当にいい女だよ。


 俺自身もテレビの中でも見たことがない程美しくて妖艶な女性だね。


 でもさ、それも若い時ならいいよ。女神様が……。


 今彼女が何歳なのかは、俺自身も知らないし? 女性に対して失礼だから訊ねもしないけれど。


 神話の時代から生きている女性ひとでしょう?


 それなのに、男遊び遊び癖が治らないってどうよ?


 いくら容姿が良くても、後で絶対に苦労させられる。


 それに、絶対に変な事に巻き込まれると思う?


 それこそ? 大人のドロドロした三角関係とか? 四角関係以上もあるかも?


 この女神フレイヤひとならば……。


 実際先程俺に、今の自分自身が置かれている立場が嫌だから何とかして欲しい……。


 と、俺に嘆願をしてきたぐらいだからね。


 何かしら? 大変に嫌で面倒な事に巻き込まれる可能背がある……。


 そんな事は、俺としては本意ではない……。大人のドロドロした恋愛ゲームに巻き込まるのは嫌だから、彼女に少しばかり不満を告げて、今度こそ早々にこの場を立ち去ろうと思う。



 ◇◇◇◇◇



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