第71.5話 博士と助手と○○○その4


どうも、アフリカオオコノハズクの博士と、助手のワシミミズクです。ライブが終わって、コウがろっじに住むようになり数日が経ちました。今日は図書館にコウが来ているのですが…


「これはこっちでいいの!?」

「そこで問題ないのです…」

「これはどこ!?」

「それは地下なのです…」

「なんでここにあるの!?ほらさっさとやる!はよ動け!」

「「り、了解なのです!」」


今我々がしている…というより、させられているのは本の整理。コウが本を読みたいと来たのですが、ごちゃごちゃのぐちゃぐちゃに散らかっていたままだったのです。それを見たコウが『片付けるぞオラァ!』とやる気満々で始めたのです。そして顔が怖かったので我々もしているのです…


「どうしてこうなるまで放っておいたの?」

「我々は忙しいのです」

「長としてやる事が多いのです」


嘘ではないのです。事実としてここ数日、ヤタガラスと島を巡り、異変の影響が残っていないか確認をしていたのです。決して片付けが面倒だった訳ではないのです


渋々納得した顔をして、数時間片付けを続けて終わらせました。ご褒美だ、と言って料理を作ってくれました。長に対してご褒美とは偉そうなのです。まあ貰えるものは貰いますが


「毎日とは言わないけど、三日おきくらいはやりなよ?」

「分かりましたよ…。全く、お前は母親ですか?」

「二人が子供ひなだからそう見えるんだよ」


ほう…?言ってくれるではないですか。ですがここで言い返すことはしないのです。我々は大人なので


「…なにか言いたげな顔をしてるね?」

「いいえ、何でもありませんよ?」


こいつは変な所で鋭く、また変な所で鈍いのです。あの二人は大変ですね…応援しているのですよ


それにしても疲れました。これで一息つけ…



「皆さん、おはようございます」



そうにないのです(コウは)。オイナリサマが訪ねてきました


「「おはようなのです」」

「おはようございます、どうしたんですか?」

「どうしたって…、時間ですよ?」

「時間…?あっ…もうそんな時間でしたか。今日は何処でやるんですか?」

「ここで大丈夫です。激しいことはしませんから」


どうやら、野生解放を使いこなす為の修行をここでやるようなのです。結界の練習ですか…。我々も見学させてもらうのです。好奇心旺盛なので


しかし、見れば見るほどあの姿は興味深いのです。それにあの尻尾…とても魅力的に見えてしょうがないのです。一体何故なのでしょうか?


パリンッ!


「…あれ?」

「集中力が足りません!もう一回!」

「フッ…!」


パリンッ!


「ぐっ…!?」

「まだまだ!どんどん続けますよ!」

「ちょっ、ちょっと休憩を…」

「ま だ で き ま す よ ね ?」

「…はい」


…なんか、いつもより怖いのです


ですが我々はのんびりしていられるのです。クッキーと紅茶が旨いのです。見せびらかすように食べるのです。別に先程の発言を根に持っているわけではないですよ?







「今日はここまでにしておきましょうか。勉強もしっかりするんですよ?」

「はいぃ…」


あれから長いことやっていたのです。中々スパルタでしたね。ジャパリまんをあげると吸い込むように平らげました。掃除機かなにかですかお前は


「「お疲れ様なのです」」

「あ…りが…と…」


オイオイオイ、満身創痍かよ、なのです。これでは夕飯をお願いできません


「夕飯は私が作ってあげましょう。キツネうどんでいいですか?」

「「「いただきます」」」


なんでその返事は元気なのですか。食いしん坊にも程があるのです。仕方のないやつなのですよ







「では、私は雪山に帰ります」

「俺も帰ります。またね、博士、助手」

「また来るのですよ」

「我々はおかわりを待っているのですよ」


今日は慌ただしい日でしたね。ですが、こんな日も悪くないのです。それに夜はこれから、助手との時間もこれからなのです




────────────────────




「戻ってきた~…。あー疲れた…」


何か一段と厳しかったな今日は…。おかげて真っ暗だ。帰る分には問題はないけどね



「申し訳ありませんが、よろしいでしょうか?」



呼ばれたので顔を上げると、大きなタマゴ(?)を持ったトリのフレンズがいた


「私はダチョウです。以後お見知りおきを」

「よろしく。俺h」

「コウさん、でよろしいですね?」

「…そうだよ」


ライブの時にいたのかな?俺もパークで有名になってきた?自惚れすぎか?


「俺に何の用事?」


「私は占いをよくするのですが、それに貴方の姿が映りましたので報告をしておこう、と思いまして。ここにいると聞いて来ました」


俺が占いに…?厄介事か、それとも別の事か…。後者で頼む


「内容ですが、近いうちに、貴方は奇妙な出会いをします」


「奇妙な出会い?」


「はい。このタマゴに貴方と誰かが出会う場面が映りました。しかし、その人はどうしてもハッキリと見えませんでしたので、奇妙、とさせていただきました」


「周りには誰かいた?」


「私も見たことのないフレンズがいました。楽しそうな顔をしていたので、その方もフレンズだとは思います」


なら大丈夫そうじゃない?単純に新しい出会いってこともあり得える。しかし映らないとなると神獣辺りか?神秘的な力で遮断されているのかもしれないね


「それと…もう一つ気になることが…」


言葉に詰まっている。でも安心して?今までの事を考えると何がきても大丈夫だから(多分)。遠慮なしに言ってごらんなさい


「二回目に映った人と、一回目に映った人が違う気がしたのです。まるで…」


「出会いは一度じゃない…ってことかな?」


「おそらくは…。…あまり驚かないのですね」


「色々な事があったからね。それくらいなら許容範囲かな」


というのは少し嘘。あの四人のように一遍に出会うのではないということだろうか?まとめて来てくれた方が色々楽なんだけどなぁ


それか、島の外から何かが来るのかもしれないね。もしかしたらあの子達が帰ってきたり…なんてね


「まぁ、知ってる知ってないで心構えも違くなるから、教えてくれてありがとね」


「いえ、こちらこそ、聞いていただき有り難う御座いました。…どうか、何があっても強くあってください」


待って最後に不吉なこと言わないで。不安になっちゃうよ俺


ダチョウさんが帰るのを見送って、俺もバイクを固定して部屋に戻る。一難去ってまた一難…。難かどうかはまだ決まった訳じゃないけどさ


これも運命だというのか?もしかして、?…なんて、考えても仕方ないか


…せめて、大事にならないよう、祈るだけはしておこうかな…
















その数日後、俺は奇妙な夢を見ることになる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る