第856話 オスマン帝国情勢
各地からの知らせをまとめ広げられた地図に碁石を並べていく。
見方は白石、敵は黒石。
黒海周辺とトルコの大半は黒石であったが他の多くは白石だった。
それを見てオスマン帝国アメフトスは、
「これほど見方が大方のか」
と、安堵のため息に近い声を漏らしていた。
「陛下、早まらずに良かったですね」
「・・・・・・宗矩殿には改めて礼を言う。よく止めてくれた」
と、柳生宗矩に頭を下げていた。
恐縮する宗矩。
「それよりいかがなさいます?黒海に入るにはこの海峡を通らねばなりませんが、ここは強固な砦と黒海に艦隊が待ち受けており入ろうものなら狙い撃ちにされてしまいますが」
と、地図を見ながら言う。
「しかし、早く黒海に入り、敵の拠点となっているクリミア半島を取らねば、清帝国の援軍がぞくぞくと大挙し、厄介になりますが」
と、織田信長と共に来た弥助が言うと、
「拙者が潜水艦隊を率いて海中から潜り込みます」
と、宗矩。
「いや、潜水艦艦隊も想定しているはず。それは危険だ。だが、空からならどうだ?」
「空から?あの飛行機には攻撃の手段などあるのですか?」
と、宗矩と幸村が不思議がった。
「ふっ、馬鹿かお前達は?単純な事をするのだな常陸?」
「はははははっ、流石に何度も飛んでいる信長様ならわかりますか?」
「ぬははははははははははははっ、面白いの~この歳になって今までにない戦いが出来るのだから愉快愉快」
と、上機嫌だった。
「え?もしかして、信長様自らやるのですか?」
と言うと、鉄扇で軽く小突かれ、
「このような事をした世界初の人として名が残るであろう?常陸だけの名は残させんぞ」
と、謎のライバル心を燃やしていた。
「御大将、我々には想像が出来ないのですが・・・・・・」
と、宗矩、
「単純な作戦だから。そろそろ、欧州イバラキ島からも戦車が到着するはずだからそれで、陸をゆっくり進んで」
と、イスタンブール占領の指示を出した。
欧州イバラキ島から25両の菱形戦車が到着すると、宗矩と幸村はゆっくりと軍を進めた。
さて、こちらは次の準備。
「佳代ちゃん、アレを飛行機に載せられるだけ載せて」
と、頼むと、
「うわ~真琴君、なんとも原始的な感じなんだけど~」
と、冷たい視線を送ってきていた。
「お初、トロイ沖まで艦隊を率いて待機」
「はい、そこで待てば良いのですね?」
「うん、取り敢えずトロイは艦砲射撃で落として」
と、指示を出す。
茶々にはイズミールに残って貰いアメフトスが無茶を起こさないか監視して貰うように頼んだ。
「ぬははははははははははははっ、楽しみだの~」
と、織田信長は新しい戦い方に胸を躍らせていた。
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