第785話 総理大臣

 俺は気がつけば織田信長の下で働くこと30年の年月が流れ過ぎた。


国を大きくし、世界最大国家『大日本合藩帝国』を作り上げ、実質上ナンバー3の地位までに上り詰める。


現在の官位、左大臣の次に残される官位は太政大臣と関白だけになる。


間違いなくトップの官位。


だが、どうもピンとこない。


お祖父様は俺に総理大臣になって欲しがっていた。


なら、古い官位官職の名を捨て新しい官位を作ってしまえば良い。


そして、考えたのが『総理大臣』。


俺は懐に入れていた紙に書いたそれを織田信長に見せた。


「『総理大臣』として欲しいのです」


「総理大臣?」


「お祖父様の願いだったんです。俺の時代での日本国のトップの役職」


「ぬははははははははははははっ、良かろう。古き官位の名は最早、その者の序列を表す物でしかないからな。『太政大臣』を改め『正一位総理大臣』といたす。常陸を初代といたす」


「やったー、これであのお祖父様の願いが叶えられる」


と、万歳をすると茶々達が拍手をしてくれ、


「良かったですわね、なりたい官位になれて」


「正一位おめでとう御座います」


「良かったね、マコ~」


と、茶々達が祝福をしてくれた。


『正二位左大臣・豪州統制大将軍・欧州統制大将軍・インカ帝国執政・亡命国家スロバキア執政・安土幕府副将軍・造幣方奉行兼安土暦奉行兼南蛮交易総取締役奉行・常陸守』から、『正一位総理大臣・豪州統制大将軍・欧州統制大将軍・インカ帝国執政・亡命国家スロバキア執政・安土幕府副将軍・造幣方奉行兼安土暦奉行兼南蛮交易総取締役奉行・常陸守』と・・・・・・。


うん、そろそろ、この肩書きを振り分けていこう。


俺も少しずつ隠居を考えていかねば。


そう胸に秘めながら、未来にいるお祖父様に向かって『総理大臣になりましたよ』と、心の中で報告をした。


1614年6月1日


大日本合藩帝国

太上皇・織田信長

皇帝・織田信忠

総理大臣・黒坂真琴

征夷大将軍・織田秀信

副将軍・徳川秀忠

副将軍・黒坂信琴


五大老

筆頭・織田 信孝

織田信澄

羽柴秀吉

前田利長

蒲生氏郷


五奉行

筆頭・九鬼 嘉隆

森蘭丸

伊達政宗

最上義康

黒坂信海


が、世界に向けて発表された。

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