第631話 マリョルカ島と真田幸村

 御大将から地中海の島々の攻略占領の命が下れた俺は、前田慶次殿などとともに先ずはバルセロナから南にすぐのマリョルカ島を標的とした。


マリョルカ島は旧イスパニア国王の一族が神聖ロ-マ帝国などの支援を受けながら城塞化している。


一般市民が住む島ではなく、完全な城塞。心置きなく砲撃ができる。


その島を一周囲んで艦砲射撃で攻撃する。


勿論、島からも砲撃がされるがこちら側には届かない飛距離だ。


そんな中、鉄甲戦艦の周りを警護する小型船の護衛艦近くの海面が水柱をあげていた。


「船長、敵が近づいてきている模様です」


水面を望遠鏡で見ていると鯨のように黒い影がこちらに進んでくるのがわかる。


敵の謎の船、それは水面より下をギリギリに進む船であるのがようやく確認できる。


「水中爆発式焙烙玉を狙って投げよ、本艦に近づけさせるな」


兵士達が狙って水中爆発式焙烙玉を投げはなつと、その爆発は水柱をあげ水面を多きく波立てた。


すると、波が静かになったところで木のくずがに浮かんで来る。


「敵と思しき影消えました」


「引き続き水面警戒厳となせ」


「はっ、」


「本艦は水面警戒に集中する。他艦船にマリョルカ島砲撃を続けるよう手旗信号で合図をせよ」


兵士に指示をしながら望遠鏡で水面を監視していると、マリョルカ島で大爆発が発生したと思うと島からの砲撃は止まった。


「真壁氏幹・柳生利巌艦船に上陸の命を指示せよ」


「殿、私にも行かせてください」


と、猿飛佐助が言う。


船を沈められてしまった恨みがあるのか?


「船の仇討ちを考えているなら許さぬ。そのような考えで戦えば目が雲盛る」


死者は幸いにして出ていないが大切な船は沈没している。


その恨み晴らすような戦いをさせてしまえば惨殺などをさせてしまうかもしれない。


それは御大将の嫌う所、


「違います。我がChampion of the sea TSUKUBA号を撃沈させた敵の船を調べたいのです」


「・・・・・・そうか・・・・・・」


御大将もどのようなものか気にしている。


ここは佐助が調べるのが良いかもしれない。


「よし、調べてこい」


猿飛佐助は上陸用小型船に乗り移り手勢を連れて島に上陸した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る