第582話 夜這い?

 アセナは昼間、お初、お江、桜子、小滝、ラララ達から交代で日本文化に合うように最低限の教育を受けている。


そんな日々が一ヶ月が過ぎた。


その合間は、ひたすら俺の背中を物陰から見つめていた。


「アセナ、用があるなら部屋に入りなさい」


と、言うと畳に正座して俺の執務を見ていた。


ただ静かに。


「アセナ、探っていてもなにもないぞ。今は下水と上水道整備とネズミ対策、流行病に対する注意書きを制作しているところだからな」


上下水道の整備と流行病に対する政策を書いている。


それを織田信長に提出して幕府からの法度として出して貰う。


ヨーロッパ大陸の日本国、旧イスパニアはアメリカ大陸からの輸入品が入ってくる地として大きく発展し始め人口が増えてきている。


蒲生氏郷は日本国の副首都マドリードの整備に追われているため、羽柴秀吉と前田利家が各港町の整備などを行っている。


その為、そこに指示を出すのが俺の今の仕事。


織田信長はその書類に目を通して、決済の署名をしている。


上下水道の整備

ネズミ対策に罠の設置

ネズミ対策に隙間のないゴミ箱を設置

飼い猫の奨励

石けんでの手洗いの奨励

蒸留した高濃度アルコールでの消毒

天然痘対策のワクチン接種

乾燥期の加湿の奨励

野良犬対策

ヨーグルト摂取の奨励

納豆摂取の奨励

チーズ摂取の奨励

マスク着用の奨励

などなど


俺の未来での高校生知識で出せる範囲の流行病対策だ。


漏れ出ても良いような知識でしか今は書き物をしていない。


「ちがうもん。そんなんじゃないもん」


ん??????あれ?こうまんちきな口調はどうした?あれ?


と、顔を赤らめて泣きながら部屋を出て行ってしまった。


ん~何だろう。


お初に見られてしまい、


「なにをしたのですか?」


と、ほっぺをつねられながら問い詰められた。


「いや、本当なにもしていないんだけど」


「あの娘は昔の私であり、お江なのがわからないのですか?」


「え?」


「兎に角、優しく接してあげてください」


と、お初も言う。


うん、何なんだろう。


昔のお初?お江?・・・・・・?


お江は昔と変わっていないけど?・・・・・・?


と、疑問符しか出てこない。


期限を直して貰うのに、桜子に頼んでタンドリーチキンなどを作ってもらうと、アセナはむしゃむしゃ食べていた。


食欲はあるようでなによりだ。


食べっぷりを見とれているとお江似ている感を感じてきたが、うん、この娘デレあるのか?

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