『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』(映画/監督:新房昭之、宮本幸裕/2012)


 えー……。あまりにも多くの知人に薦められてうんざりしている方々も多いと思われる、通称『まどマギ』の劇場版である。


 自分には何の取り柄もないと思っている中学生・鹿目まどか。彼女の前に現れた転校生・暁美ほむらは、まどかに謎の忠告をする。困惑するまどかと、彼女をからかう親友の美樹さやか。二人の前に現れたのは、『きゅうべえ』と名乗る小動物(的なもの)。彼(彼女?)は、なんでも一つだけ願いを叶える代わりに、『魔法少女』となって、『魔女』と呼ばれる怪物と戦ってほしいと、二人を誘う。

 しかし、そこに現れたのは件の暁美ほむらであり、彼女は執拗に、まどかときゅべえの契約を妨害する。それを跳ね返し、先輩魔法少女である巴マミは、まどかとさやかの二人の前で魔女と戦う姿を見せ、二人に決断を下すよう促す。


 と、まあ〔前編〕の出だしはこんな感じ。

 では、何故この作品が一世を風靡したのか分からない! という未見の方に、ある程度の解説を加えさせていただくと――。


 感情描写(演出)と世界観(脚本)の掘り下げ方が凄まじい。筆者は男性だが、いや、もしかしたら主人公たち少女から見て異性だからこそ、心に刺さるものがあるのかもしれない。

 その演出法は、実に特異だ。美術(現実パートも異世界パートも)、音楽、編集の全てが、どこか『狂っている』。エッジが効いていると言ってもいい。とにかく『鋭利』なのだ。それなのにこの完成度。怖いくらい。

 その演出の元、脚本の中で明かされていく魔法少女の宿命やシステム、そして残酷な運命。その運命にすら抗おうとするヒロイックな、しかしどこか華奢で危なげな緊張感が、全編に渡って展開される。


 まずは〔前編〕の二時間強、未見の方にはお付き合いいただきたい。

 必見、というほど万人共通性はないような気もするし、心理的に重いものはあるが、世にいう『まどマギ』とは一体何だったのだろう? という関心をお持ちであれば、一見には十分値すると思われる。


〔後編〕については、また後日。

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