六十二 実践は、拳で…
「よし、やるぞ」
「討ち漏らしたのは、僕が倒しますね」
「ありがとう」
ロートゥスお姉様は、元気よく笑いながら返事をした。凄いやる気をだしている感じだ。倒せなかったのは、僕のナイフで倒して行けばいいかなと思いながら準備を進める。
「先に行くね」とお姉様は、茂みから出てゴブリンに拳を閉じて、殴りかかった。
後ろから来るゴブリンには、回し蹴りをかました後に、踵落しを綺麗に決める。技の切れが凄く綺麗に決まって、テンポよく倒していく。
「自分で魔法かけたのに、全然疲れないや」
「フルグルの魔法て、凄いよこれ……」と喋りながらでも手と足は、止まらず攻撃を繰り出していく。
落ち着いた所で、お姉様から質問があった。
「フルグルのバク転が、凄く綺麗だけど。どうやってやるの?」
「見せるので、試してもらってもいいですか」と僕は、分かりやすく動きを見せてからのバク転をする。するとやってみると言って、やった所、元々運動神経が良かったこともあり、失敗もしないで成功させた。
「思ったより上手くできたよ」
「これで、攻撃のレパートリーが増えるよ」と嬉しそうに、攻撃を繰り広げていく――。
お姉様の動きは、段々と慣れていきとても動きがよくなっていく。討ち漏らしもほとんどなく上手いぐあいに攻撃が入って行くのが見える。そのまま群れの方に行こうとする。
「フルグル……あの何匹がいるうちの三匹だけ、受け持って欲しいだけど、いいかな?」
「解りました」
「残りは、お姉様が倒すのですね」
「うん。問題ない」
言われた三匹だけをナイフで瞬殺して、お姉様の様子を見ていると同じように、綺麗にゴブリンを倒して行くのが見える。正拳突きからの裏拳をお見舞いして、避ける時は、バク転の動きからの回し蹴りをして倒す。そんな流れる様な感じで倒して行くのが見える。さっそくバク転を入れて使いこなしている。ロートゥスお姉様の姿が見えた。
「倒していると体の芯から力が湧き出る感じがするね」
「凄く、前に来たよりも楽しいよ」
そんな事を呟きながら嬉しそうに、ゴブリンを倒して行く。狩り始めた時よりも体の動きが凄く滑らかな動きで倒して行くのが見える。
気持ちが良い程に、綺麗にゴブリン相手に、技が決まっていく。そんな中で、珍しくオークが一体いるのを確認出来た。
「あの形が違がった」
「モンスターが、いるけど?」
「あれは、オークて言うモンスターです」
「ゴブリンより体格がいいけど……」
「強いの?」
「ゴブリンよりは、強いですけど」
「今のお姉様なら勝てますよ」
「周りのゴブリンをお願い―」
そう言われた僕は、周りのゴブリンをナイフで始末していく。お姉様とオークが一対一と言う対決となった。初めに、お姉様の正拳突きを腹部に当てると丁度急所に入り、オークは、膝を着く様に崩れる。
崩れた所で、踵落しをして撃退する。とても綺麗な倒し方だなと内心思ってしまう。
「フー」
「倒せた」
「お見事です」
肩の力を抜いて、型のポーズを取り、気持ちを落ち着かせている。そろそろ狩りもいいかなと思っているとお姉様から一言があった。
「緊張しながらオークに、挑んだら……何か疲れた」と呟かれる。
そこで、そろそろ良い時間になったので、お姉様に提案する。
「そろそろ戻りますか?」
「そうだね」
「モンスターから落としたアイテムは、ギルドで買取してもらいますね」
「やった~」
「初めてのお小遣いだ」
喜んでもらった後で、そのまま
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます