第11話インプット

違う角度から。

インプットについての考察。

情操教育は小さい頃から始めたほうが良いと言われるが、半分賛成する。

インプットは外部からいろんなことを吸収する能力で

身体能力であるから年齢と共に衰える。

たぶん、産まれた時がピークだろう。

脳のシナプスの繋がりが活発なことは

科学でも証明されている。

私が小さい頃

目にした景色は、まるで頭の中にカメラがあるかのように

鮮明に記憶されていた。

光や影、色彩や遠くに人が居たことなど

細部までハッキリしていたし

それをすぐに引き出すことが出来た。

耳にした音楽も、頭の中のラジカセで

いつでも鮮明に再生できた。

大人になるにつれ、それはボンヤリして

引き出すのに苦労する。

こういうことから、早いうちから

楽器を習わせたり、絵を描かせたりするのは

悪いことではないと思う。

だがしかし、やはりここで重要なのは

本人が「好き」かどうか。

これがないと続かないし

無理にやらされると嫌いになる。

だから、やらせてみて興味を持てば、教育の機会を与えてやる。

それが親が出来る範囲のことだと思う。


子供がいつ、何を吸収しているのか。

これを知るには子供をよく観察することだ。

まだ言葉は分からないので

表情や、行動で読み取る。

吸収しているときは

真剣な顔をしている。

楽しんで、笑っていると吸収しているように思えるが、それは少し違う。

楽しめるということは

もうある程度吸収できていて

その知識や能力を上手く使えることが楽しいのだ。

新しいことを吸収しているときは

真剣だ。

真顔で食い入るように見ている。

その時は、絶対に邪魔してはいけない。

楽しんでないと、取り上げてはいけない。

少し離れて、様子を見守る。

危なくないか、吸収しやすい状態にあるか

環境を整えてやるのが親の出来る範囲だ。

一人で機嫌よく遊んでいるときも

絶対に邪魔してはいけない。

吸収したことを試しているのだ。

一緒に遊ぼうなんて、もっての他。

子供が求める分にはいいが

一人で遊んでいるときに割り込むのは

ご法度だ。

ここでも、見守るだけ。


親という字はよく出来ている。

木の上に立って見る。

少し離れて、見守る。

すると子供は安心して

どこまでも自分の世界を広げられる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る