希望の街ー改訂版ー

作者

27

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★★★ Excellent!!!

読み進めている最中、the pillowsの曲をいくつか思い出していました。
カラスが漁る可燃ゴミの匂いと早朝のひんやりした空気。路地の片隅には吐瀉物が広がり、それを避けるように仕事に赴くひとたちが足早に去っていく。そして少しずつ、街には眩い朝日が昇りはじめる。
気怠げな雰囲気やかすかな希望を内包したこの物語には、勝手ながらそんな雰囲気が似合いそうだなと思いました。

基本的に私は、「これを読まないなんて人生損してる」という類いの本は存在しないと思っています。
ですが、誰かからオススメの本を紹介してほしいと言われたとき、このようなタイプの物語を必ず、一冊は紛れ込ませると思います。

★★★ Excellent!!!

自主企画で出会わせていただきました。
徐々に判明する背景が、源治の喧嘩っ早さに説得力をあたえます。源治は決して褒められたことはしていませんが、生身で率直な、今の若いひとが失っているような生きることに対する強い執着と熱意に、気がつくと未熟な源治を手放しで応援したくなってしまいます。
また、制度的な知識に裏付けられているので、生活困窮の問題を抱えた方にも、ひろく読んで貰いたいと思います。この物語に救われる人がたくさんいるのではないかと思います。
文体も、必要な内容が凝縮されストレートに入ってきます。リーダビリティが高く一気読みでき、文章の無駄のなさも気に入りました。