第三十五話「代償」
国会を血に染めた先の戦争は、
鷹条総理と
「あなた方を死なせてしまったのは、この
今回の戦いで犠牲となった星や
姉さんは殉職した仲間が出る度に、ここで彼らの死を
日本の征服という第一目標は果たせたものの、代償は大きかった。
ぼくが白金機関に入り、星や雲母と互いに背中を預けて戦うようになってからまだ一年強だったが、もう十年以上も一緒に戦ってきたような気がしていた。胸にぽっかり穴が開いてしまった、というのは、こういうことを言うのだろう。
「行きましょう。ヒデル。我々は、前へ進まなければなりません」
ひと足先に墓地を去っていく、ヒヅル姉さん。
すれ違いざまに見た彼女の眼尻から、ひと粒の涙が、こぼれ落ちた。
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