再生の小夜曲

作者 春川晴人

27

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★★★ Excellent!!!

閻魔大王の跡取りがクールな女の子で、しかも現代日本に生まれ変わるという突飛な幕開けで、まず興味を惹かれました。

その目的は、地獄で悪事を働いた鬼の追跡。
閻魔大王の親類や恋人も日本に転生しており、彼らを探して協力をあおぎつつ、犯人である鬼探しをする……というのがアウトラインです。

跡取り娘は名をトーコと言い、折しも転生することになった人間の依り代も「塔子」という名前でした。
トーコ様は塔子の振りをしつつ、塔子本人の夢だった孤児施設の再生に勤しみながら、鬼探しもするという二足のわらじに追われます。

現代社会に不慣れなトーコ様の様子と、地獄と日本を仕事で行き来するときのギャップの面白さが読ませます。

途中からトーコ様は芸能界にスカウトされ、本人の意思とは裏腹にあれよあれよと人気モデルへ上り詰めていくさまは、とても痛快でした。

転生した恋人との再会、犯人を見つけたあとの決着の付け方など、ありがちな異能バトルではなく理詰めで解決したのも異色で、本作の独自の味が出ていると感じました。

★★★ Excellent!!!

とある事件により、離ればなれになった大切な者たち。彼らを探すために決心するトーコ。
一方で、人間である塔子はとある過去を、理想を心の内に秘め……

恐らく塔子さんは救われたのではないでしょうか? そう思わせてくれるエンドでした。
そして、それだけでなく、様々なキャラが成長したように思えます。もしくは、初めから持っていた素質なのかもしれませんが。
とにもかくにも、格キャラに焦点をあててみると、さらに楽しめるかもしれません。

ユートさんもまた、様々な感情が入り乱れていたのでしょうね。