第122話 大成、青葉と楓と緑にバレないよう必死になる(?)
今日は金曜日。
当然だが、俺が望んで石狩さんとデートする訳ではなく、石狩先輩の言葉ではないが『罰ゲーム』として石狩さんとデートする訳だ。マジで勘弁して欲しいぞ、ったくー。
ただし、今回は
当たり前だが、
ぜーったいに青葉と楓と緑にバレないよう、今日は必至になって頑張る(?)のみだあ!!!!
って、こんな事で頑張るって、なーんかおかしいよなあ・・・。
俺は出来るだけ冷静を装って、普段通りの時間に起きて、普段通り朝ご飯を食べて、普段通り家を出て、普段通り青葉の家へ行った。でも、普段通り青葉を起こすのは、正直勘弁して欲しいぞ。いい加減に自分で起きるクセをつけて欲しいけど、それを青葉に言ったところで劇的に改善されるなら、俺の苦労は中学に入る前に終わってるぞ、ったくー。
「おーい、青葉、朝だぞー」
「・・・・・(-_-)zzz」
「おーい、あーおーばーさーん、あーさーでーすーよー」
「・・・・・(-_-)zzz」
「青葉!起きろー!!」
「・・・・・(-_-)zzz」
はーーー・・・相変わらずではあるが起きてこない奴だ。しかも凝りもせず『魔界の呪いのアイテム』をセットしてない。まあ、青葉の場合、『魔界の呪いのアイテム』をセットしたところで起きないのは百も承知だけどね。
さあて、今日はどうやって起こそうかなあ。
よし、今日はこの方法だあ!
俺は青葉のベッドに腰掛けて、青葉が口を開けた途端、両方の人差し指を青葉の口の中に入れ、口を思いっきり横に引っ張った!
「☆▼◎*%#・・・!」
「おー、ようやく起きたかあ」
「はいへー、ほれがいはがら、はんべんひへー (たいせー、お願いだから勘弁してー)」
「じゃあ起きろ!」
そう言うと俺は青葉の口から指を外したから、ようやく青葉はまともに喋れる状態になって、上体を起こしてベッド脇に丸めてあったセーターを羽織った。
「たいせー、ひどいよー。レディの口の中に指を突っ込むなんて最低よ!ぷんぷーん!!」
「そんな事を言ってもさあ、俺が部屋に入っていた事に気付かず、大きく口を開けて間抜けな顔をして寝てる奴が悪い」
「あー!ひっどーい!!そんな言い方をするなら、私じゃあなくて
「勘弁してくれよお。俺がいつ石狩さんといい雰囲気で抱き合ってたんだよ!」
「月曜日だよー」
「あれは試合中の出来事だ!お前だって俺に『
「私の時は鬼のような形相で抑え込んでたけど、太美さんには優しく抱きしめてあげたんでしょ?」
「あおばー、お前さあ、今朝の言葉は刺があるぞ」
「あったり前でしょ!レディに向かって失礼極まりない起こし方よ!少しは反省しなさいよお!!」
「はいはい、そこは済みませんでしたあ m(__)m」
俺は言葉は丁寧だけど、顔は思いっきり笑っている。まあ、青葉も本気で怒っていた訳ではなく話の流れで言っただけであり、最初から顔は笑っている。
案の定、ニコッと微笑んだ後に
「まあ、今日はこのくらいで勘弁してあげる」
「お前が自分で起きられれば、本当は失礼極まりない起こされ方をしなくても済むんだぞお」
「あれー、それって、作者が意図的にやってるんじゃあないの?」
「おい!それを言ったら終わりだぞ!」
「まあまあ、そこは聞かなかった事にしておいてね」
「やれやれ」
「さあ、朝ご飯を食べましょう!」
そう言うと青葉は勢いよく立ち上がり、そのまま部屋を出て行った。
俺は青葉を追い掛けるような形で部屋を出たけど、正直、さっきは本音では青葉の言葉にマジで『ドキッ』とさせられたぞ!もしかしてこいつ、本当は俺と石狩さんが昨日の夕方に会っている事を知ってるのかって本気で疑ったくらいだ。
「「行ってきまーす」」
今日も俺と青葉は一緒に家を出たけど、当たり前のように楓と緑が青葉の家の前で待っていたから、俺の右に楓、左に緑が立ち、今日の青葉は俺の前を歩いて『普段通り』の登校風景になった。
でも、この三人の様子を見ている限り、俺と石狩さんが明日デート(?)とは微塵も思ってないようだ。楓はいつも通りノホホン、緑は俺が見てない時(俺が見てないと信じてる時)はニコニコだけど、俺が見てる時だけはツンとした表情を見せるのも、昨日までと一緒だ。そう考えると俺の方が意識過剰になってるのかもしれないなあ。
でも、気を緩めるとボロを出しそうだから、気をつけないと・・・
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