第47話 大成、先輩がセレブのお嬢様だと知る
「
「恐らく君の家にもボクのひいお爺様が作った銀行の口座があると思うよ。まあ、百パーセントだとは言い切れないけど」
「銀行?口座?・・・まさかとは思うけど・・・大蝦夷銀行の創業者・・・」
「ぴんぽーん、その通り」
「マジですかあ?適当に言っただけなのに」
「それで間違いない。明治の頃にニシン漁で
「そ、それじゃあ
「正確にはその家系の娘だ。そこに住んでるのは総帥の広内金山東雲で、ボクのお爺様の兄にあたる人だ。ボクは札幌駅前のマンション住まいだよ。何しろ38階に住んでるから駅前にありながら家を出てから駅につくまで結構時間がかかるよ」
「38階!」
「まあ、あのフロア全部がボクの家さ」
「マジですかあ!?それじゃあ超がつく程のお嬢様じゃあないですかあ!?」
「まあ、それは間違ってないな。君さえ了承してくれるなら地上100mの雄大な展望をお見せしよう」
「今からですかあ!?」
「君が望めば、だけど別に今すぐとは言わないから気にするな」
「・・・・・ (・・;) 」
「ボクのお爺様である広内金
「・・・・・ (・・;) 」
「ボクの父である広内金
「・・・・・ (・・;) 」
「だから、ボクを選んでくれれば将来を約束されたも同然だ。ホテルでもマンションでも、グループ内の好きな部門を選んでいいぞ。どうだ、ボクと本気で付き合ってみるか?」
「・・・・・ (・_・;) 」
「まあ、今まで言った事は罰ゲームの最中だから軽く受け流してくれていい。でも、これでボクがプラチナカードを持っている理由が分かっただろ?」
「う、うん・・・あまりのスケールに頭がついていけなかったけど、さすがの俺もプラチナカードを女子高生が持っている理由だけは理解できましたよ」
「でも、さすがに普段は持ち歩いてないよ。普段はWAANとかmomocoさ。最近は交通系ICカードが使える店が増えて来たから、通学定期として使っている
「あれー、お嬢様らしくないですねー。お抱え運転手の送迎じゃあないんですかあ?」
「あのなあ、ボクのひいお爺様は『教育の場へ送迎するなど怪しからん』という方針だったから、それが今でも受け継がれてるからボクだけでなく広内金家全てで幼稚園から大学まで徒歩又はバスや電車だ」
「へえ」
「あー、ついでと言っては何だが、この服もバッグも、それにコートも〇ルマーニだ」
「マジですかあ!?俺、〇ルマーニの名前は聞いた事ありますけど、正直に言いますけどブランドとか全然知らなくて・・・フランスですか?」
「〇ルマーニはイタリアだ!」
「す、すみません!」
「まあ、気にしてないから大丈夫だ。ボクは〇ルメスよりも〇ルマーニの方が好きというだけだ」
「はー・・・それでも俺から見たら別世界の服ですよ」
「あー、今日だけは特別だ。これは広内金家の娘として出席するパーティとか本家との会食とかで使う物の1つだけど、普段はクローゼットで眠ってるさ。今日は君のリクエストにお応えするつもりでクローゼットの中から季節に合った物をセレクトしたに過ぎないよ」
「・・・・・ (・_・;) 」
「そうそう、〇ルメスとか〇ルマーニを扱ってる部門の責任者である母だけど、なぜか『セレブ』という言葉が大嫌いな人で、家の中では好んで〇ニクロを着てるし、自分で料理を作るし、なぜかお気に入りの軽自動車ムーバを自分で運転してスーパーで現金で買い物をするのが趣味という変わった人物なのさ。だから『めでたい焼き』も自分で買ってくる。母は広内金家の異色の人物として創業家の中では知らない人はいないとまで言われてる人なのさ。だからボクも母と同じで普段は〇ニクロの服に〇ーバイスのジーンズという、ある意味、ボクと母だけは創業家の異端児なのさ」
「・・・十分理解しました。どっちにせよ、俺の二人の伯父さんも結構な事業を展開してますけど、華苗穂先輩のところの銀行とは切っても切れない関係なのは間違いありません。ある意味、先輩のお爺さんの機嫌を損ねたら
「まあ、さすがにボクのお爺様もそこまで酷い事をするような人じゃあないぞ。でも、銀行家という者はある意味シビアに金の流れを見てるから、ヤバイと思った会社からは手を引くかもしれないぞ」
「気を付けるように言っておきます」
「でも、学校での立場は君は元理事の孫、現理事の甥だからボクより上だ。何しろ広内金家は出資はしたけど
「たしかに・・・」
「まあ、ちょっと話が逸れてしまったけど、コーヒーが覚めないうちに飲もう」
「そ、そうですね」
し、知らなかった、華苗穂先輩がお嬢様だったなんて・・・しかも恵比島先輩も理事長の血筋だったなんて初めて知った。
そんな人が
「・・・ところで、この後は先輩はどうするつもりなんですか?まさかコーヒーを飲んだだけで解放してくれる訳じゃあないですよね」
「おー、よくぞ言ってくれた。実は行ってみたい場所があるのだが、さすがに一人では行きにくくて誰か一緒に行く人が欲しかったのさ。だから
「構いませんよ。それで、どこへ行くんですか?」
「テレビ塔だ」
「テレビ塔!?」
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