マスターの悔い/第5章後編予告

「今年も来たぞ……詩音しおん天城あまぎ


 マスターは出ていってから、その場所へ行く前に1年来の仲間達とあっていた。マスターが来るとその2人はいつもの場所で待ってくれていた。


「あれから6年……お前達の頼みを果たせずにいる……こんな私を許して欲しい」


 そう言うと、2人の前にしゃがんでマスターは持ってきた花束をゆっくりと差し渡した。


「あの子は……今どこにいるのか……今も手がかりが掴めずにいる。6年間、探すために手を回しているが一向に見つからない」


 マスターは左の拳を握りしめて震わせながらこの1年の状況について話していたが……同じ事をもう『5回』言っている自分が情けなくて嫌になった。


「……詩音、天城、約束は守る。必ず、あの子を探し出してみせる。どれだけ時間がかかっても………………」



















「お前達の遺した一人娘は見つけ出すからな。来年こそはその子とここに来る。……またな」


 マスターは……そう言って2人の……お墓の前に誓うと背を向けて去っていった。


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『第5章後編 直前予告』


 ―――さようなら


 ―――まさか……君が……っ!


 思いと思いの交錯が火花を散らしお互いの意志を剥き出しにする。


 ―――だーかーらー……その考えが間違いだって言ってるんだにゃ!!!


 ―――私は……っ! そんな軽い気持ちでやっているんじゃない!!


 そうして始まる……ひとつの物語。


 ―――やっほ〜半年ぶりだね。


 ―――だめです! あれ以上は本当に……っ!


 ―――ねぇ……目を覚ましてよ……ねぇってば!!


 ―――………誰?


 ―――今止めてどうするにゃ、どうなったとしても望んだ事なんだったら顛末は見届けるべきじゃないのかにゃ!?




 ―――これが、私の気持ち。私の意思だよ。




 第5章後編 殺すものと救うもの


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