風船
喉を湯がく睦言の群れ
楕円の月が
吐いた血を浴びたとき
はだかでよかった
糊のきいた白襟が
汚れてしまわずにすんだから
もう動かない友だちがいるとして
友だちは
動かないものだけ
つま先で、
動けなくなって
別れの朝がくる
誤解と遠吠えで編まれた
水平線が
ゆるやかな焦点をむすぶけれど
木馬のように遠近の毀れた
湖畔に根をはる樹影を
あたためることはない
はだかにした風船が
とび去ってしまわぬよう
土をかぶせる
枝にシャツを吊るして
月がいないうちに眠った
地獄でないうちに眠りたかった
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