俳句?

夜が明けて眠りが掃き溜め凝らせる

兎の眼兎の都に祀られる

見るたびに鱗の生えゆく麒麟の仔

呼び声が呼ぶそのときを待っていた

人工の星を観に行く春の淵

暁闇が街燈に尻を向けている

骨の海浮かんだ天球櫂で割る

川向かい花火棲む街星の街

虹を見た最後の夜の記憶がない

畦道は蛙とむらう宵の道

白黒の赤の他人の死を聴いた

寂しくて影に背いた秋のこと

窓枠に挟まれ折られた栗鼠の首

光の緒束ねて燃やして菜の花が

われわれが死に直面する月明かり

ぱっくりと額が割れた水が出た

秋深く枯れ草駿馬を喰い殺す

ジェット機の音を聞いたら曇天だ

棺ならそこに立て掛けたままでいい

走り去る君の関節が崩れゆく

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