ユウとリナの四日間

作者 奈月沙耶

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★★ Very Good!!

描写が丁寧で、じっくり読めば情景がとても鮮明に想像出来るお話です。

物語は、小さな女の子であるリナちゃんの視点で進みます。
この視点がすごい。本当に、小さな子供が見る世界ってこんな感じなんだなーっていう所が細かく描かれています。

基本的に登場人物は少ないため、会話らしい会話は多くありません。でもその少ない会話の端々からも、リナちゃんの心情描写も、母親に関して傷を負ったリナちゃんの心が伝わってくるのが印象的。
結局最後まで不思議な物や謎な物は解明されないまま、っていうのも、不親切なわけじゃなく想像力を刺激してくれます。

文章が詰まっているため、スマホだとちょっと情報量が多いかも。そこだけ難点。紙の本でぜひ読んでみたい、そんな丁寧な短編です。

★★★ Excellent!!!

 幼くして心に傷を負ってしまった少女リナと、寡黙で謎が多い青年ユウとの交流をテーマにした作品です。

 お互いに認め合う心があれば性別や年齢などは関係ないと、この作品が学ぶことが出来ます。不安と恐怖に耐えながらも前を向いて歩き続けるリナの姿は、思わず感情移入してしまうほど健気です。
 そして不器用ながらもリナと必死にコミュニケーションを取ろうとするユウの姿も、とても印象的です。突如自分の前に現れた少女リナを見たユウは、自分の娘のように面倒を見る献身的な姿もポイントだと思います。
 さらに作者さまは続編も検討されているようですので、そこで本作で明かされなかった謎も解明されると思います! 

 心の交流をテーマにした少女と青年の物語――私は自信を持っておすすめします! 読む人の心を温かくする、そんな作風が魅力的な作品です。

★★ Very Good!!

辛くても苦しくても、流れに身を任せてきた少女リナ。
心優しい青年ユウと暮らす四日間の中で、リナは自分を取り巻く周りの景色に目を向ける。

目に映る物、それはきっと人によって違う。
考えだって。

目の前の真っ白な画用紙に色を落とすのは、他でもない自分自身なのだから。
ただ、見えたように、思ったように、自由に描けばいい。

★★★ Excellent!!!

生きることは食べること。食べることは癒すこと。
生きることは表現すること。心に映った形と色彩を残すこと。
生きることは生活すること。汗を流して身体を動かすこと。

子供は親の所有物ではない。身勝手な親に殺されかけた少女が、それを助けた青年(たぶん知的障碍者)と暮らした四日間の物語。

生きるために必要なことは、実はとてもシンプル。
生きることの意味は、実はとてもシンプル。
言葉少ない青年の、ぎこちない、けれどもお日様のような優しさ。
彼の生み出す美しい絵は、生きた証の叫び……アウトサイダー・アート。

なんのために創作するか。なんのために生きるか。
立ち止まってしまった時、読んでほしい。
解はシンプルなものだ。
それを優しく切なくおしえてくれる、お日様のような物語である。