私の教授がエロラノベ作家なので卒業しちゃってイイですか?
作者さま:成井露丸
キーワード:恋愛 卒業論文 ライトノベル web小説サイト
あらすじ
卒業論文の相談をしにきた、主人公の「エリカ」は驚きの事実に遭遇! なんとイケメン大学教授「南雲仙太郎」(42歳)はエロラノベ作家だった。秘密を知ることで意識するようになってしまって……? そして研究に対する要求水準がすごく高い!? 卒論執筆ラブコメディ
感想
だいたい、恋愛:卒論研究=50:50ぐらい。経過がとても本格的で面白い。執筆が進んでいくのは応援しちゃうし、発表シーンも臨場感あります。
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「……掛け算?」
「そう、掛け算。例えば、今回の例だと、ネットワーク科学とオークション理論、……えっと、オークション理論だと狭すぎるから、メカニズムデザインとでもしておこうか、それらを掛け算するんだ。その両方のエッセンスを持つような現象を見つけて、その両方の視点から議論するっていうのかな? そうすると、なんとも新しい感じになることが多い」
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下吹越エリカは椅子に座ったまま天井を仰いだ。
『小説投稿サイトにおけるソーシャル・ネットワークのネットワーク分析とインセンティブ・メカニズムがそれに与える影響の解析』
それが、暫定的に決まった下吹越エリカの卒業研究のタイトルだった。
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テーマ設定の方法、発表の空気感などがめっちゃリアル。そして3か月しかないのに言語学習から独自プログラム制作までさせられるとか超ハード! 要求水準たっか! エリカさん頑張りまくり。
「web小説サイトのユーザー間ネットワークを分析する」というテーマもすごく面白いです。フィクションなんでしょうけど、発表時の分析結果にはうなずけるポイントが多い。
恋愛シーンは控えめだけど、心理描写が丁寧。無意識に惹かれて行って途中で恋心に気づくとか定番だけどグッとくる。そして教授が実に魅力的なキャラクターで、エリカさんが惚れるのも超分かりますね~。エロ作家モードの天然さと、教授モードの冷静かつ頼りになる有能さの2面性がステキ。
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「……『
自信に満ちた南雲仙太郎の一言に、下吹越エリカは一瞬言葉を失う。
窓から差し込む西日が雲に遮られ、仄かに暗くなった教授室で、天井についた蛍光灯がチカチカっと点滅した。
下吹越エリカは頭の中で、自宅のベッドに寝転がって読んだ「
ニャンニャンいいながら主人公にやたら胸を揉まれるエルフのナターシャ、主人公に回復魔法を掛けるための魔法力を得るために主人公にキスをせがんでは「あんっあんっ」言う女魔法使い、無駄に頻繁に全裸にされる妹のカエデ……その他もろもろ。
(あれが、エロラノベじゃない……ですって?)
教授によって示された大胆な仮説に下吹越エリカは息を飲んだ。
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作家モードの時はボケまくり! ペンネームの「未恋川(みれんがわ)騎士(ないと)」も絶妙なダサさ(笑)
でも、教授としてはかっこいいんですよ~。終盤に事件が起きた時なんか、超有能イケメン。これは心打たれますわ~。
がっつり恋愛もの、というより女子大生の物語として個性的かつハイレベルに仕上がっている作品です。
状態:完結
文字数:225,034文字
個人的高評価ポイント
◎ 高い完成度!
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