ロボ系

廃惑星地球の歩き方  (完)

作者さま:月下ゆずりは

キーワード:SF バトル 巨大兵器 ポストアポカリプス 


あらすじ

人類の終末戦争から数百年後――と人々は語る。100mを優に超える超巨大歩行兵器「ウォーカー」を使った争いが絶えない時代。謎の機体と共に、1人の少女が目覚める。


感想

動くだけで大地が振動し、戦えば余波で周囲の建物が崩壊する。射撃武器よりもその質量と硬さを活かしたウォーカー同士の格闘こそが攻撃の中心。巨大兵器の描写がとても重量感があり大迫力。金属の音が聞こえてくると言うか。


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サンダー・チャイルドが身を屈めるように姿勢を崩す。酷くゆっくりとした動きであったが、拳が下方から敵の頭部をたたき上げるアッパーを狙い動き始めた途端に音速を突破していた。300mにも達する巨体が振るう肢体は、もはや想像を絶する速度を生む。鞭の末端が空気を裂き炸裂音を鳴らすのと同様に。

 対するは、地を蹴り、叩き潰すコースを取ったミラージュの左拳であった。

 衝突。

 もはや爆弾が炸裂したに等しい衝撃が発生する。海面が引き裂かれ白い飛沫と泡が大量に生じた。拳という爆心地グラウンドゼロから同心円状に拡散する破滅的なソニックムーブが逃げ遅れた海鳥達の内臓を潰した。

 サンダー・チャイルドが吹き飛ばされていく。海底を脚部で擦りつつ、クラウチングスタートの姿勢で静止した。装甲表面に浴びた海水が蒸発していき、塩の微小結晶が浮き上がっていた。


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300m級のロボの殴り合い! 衝撃だけで空気が炸裂する! くぅ~、燃えますね!

やや読みにくい部分も多いんだけど、表現力という点では今まで読んできたweb小説の中でもトップクラスです。作者さまの「こういうのが書きたいんだぁぁ!」という気持ちが伝わってくるというか。


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サンダー・チャイルドの推進炎が500mに及ぶ範囲を焼き尽くしていく。両足先端部推力偏向ノズルが、船体推進軸を保つべく首を蠢かせていた。推進炎の青い輝きが見る見るうちに範囲を拡大する。大地表面を溶かし、抉り、範囲内の全てを押し流しながら、巨体を進ませていた。

 岩盤が捲れ上がった。道に放棄されていた電車がゴミクズのように煽られ飛んでいく。車両が木の葉かなにかのように地上に火花を描きながら滑っていた。溶解した岩石が空中で液体となり、気体となり、大気に溶けて、流されていく。ジェット気流が大地をことごとく洗い流していた。雲でさえ、散らされていく。


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この迫力! たまりません……

素早く空中を移動し、遠距離から撃ちあい、最後は派手に爆発する。そういうスーパーロボットの方向性ではなく、あくまで「金属兵器」な雰囲気がいい。アニメじゃなく実写の方が似合うと言いますか。すばらしいロマンが詰まっている作品です。


状態:完結

文字数:115,116文字


個人的高評価ポイント

◇ アイディアが良い!


作品URL

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881360426

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