鉄錆びの女王機兵

作者さま:荻原 数馬

キーワード:SF ミュータント 恋愛 戦車 四肢欠損


あらすじ

ミュータントたちが潜む危険な荒野。少女は手足を食われ、少年は彼女を助け出したものの生活に先行きが見えない。最後の手段で選んだ人体実験、そして少女は戦車と接続された。


感想

ミュータントたちとの戦いと、2人の恋愛関係。世界観・バトルシーン・心理描写、すべての要素が高いレベルでまとまっています。


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後方に鎮座ちんざする女の存在が、この戦車の異様さを醸(かも)し出していた。

 まず、両手がない。肩から先に腕はなく、代わりに腕と同じくらいのチューブがつながれ、戦車と一体化していた。


 両足もない。ひざから先にすね はなく、これもまたチューブが接続されている。

顔の上半分をおお う巨大なゴーグルを装着し、カメラと連動して視界を確保していた。戦車の動きは全て彼女の意のままであり、一体化しているのだ。


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「私は、いつまであなたの重荷おもにであればいいの……?」


 違った。ディアスの愛情を無視したわけではない。愛しているからこそ身を売ることを深く考えたのだ。


 愛する者が己のために、独りで無茶な狩りを繰り返していることはわかっている。いつか無理がたたって、荒野に死体をさらし二度と返ってこないのではないかと思うと胸が張り裂けそうになる。


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手足がなく生活のすべてを相手に頼るしかない少女。命を懸けて戦いながらも稼ぎが足りない少年。2人の不安がごりごり伝わってきます。

そして、この作者さまはセンスがいい。何というかギャグは自然ながらも切れ味が鋭いし、キャラもみんな濃い奴ばっかり。ヒロインもほんと良いキャラしてんですよ。いわゆる主人公に依存しまくりだけど、テンプレなヤンデレじゃなくて実にリアリティがある。1つ1つの言葉選びが光ってますね。設定・キャラ、説明しずらいんだけど本当に「センスがいい」って感じ。こういう人は貴重です。

SFと言っても色々とありまして、こういうポストアポカリプス系のガンアクションはweb小説だと少ないし、質のいい作品となるとなおさら貴重。興味を引かれた人はぜひぜひどうぞ。


状態:連載

文字数:132,644文字


個人的高評価ポイント

◎ 高い完成度!

☆ 私の特に好きな作品です!


作品URL

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885808737

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