『リトル・ミス・サンシャイン』 メトロン星人も乗ったマイクロバスで出発!
主人公は、自己啓発本の出版しようとしているが、状況は芳しくない。
ヤク中で老人ホームを追い出された父と、ミスコン優勝を目指す、小太りな娘、そして、空軍に入隊するためダンマリの誓いを立てた息子がいる。
妻が、自殺未遂した兄を連れて帰ってきた。
食事中でも父は娘に「負け犬になるな」というマウントを決めてくる。
ミスコン予選突破の報告を聞いて、娘は大はしゃぎ。
だが、旅費や家庭の事情があって、結局全員で行くことに。
本作において印象的なのは、やはりフォルクスワーゲンのタイプ2マイクロバスではないだろうか。
これのタイプ1は、日本では「メトロン星人がタバコを補充するときに乗った車」でも知られている。
狭苦しい車内での共同生活の中で、それぞれの家族が抱える不満がぶつかり合う。
中盤でクラッチがイカれて、クラクションも故障するポンコツだ。
しかし、この家族のいびつさを象徴する車と言えるだろう。
「負け犬になりたくない」
今までやる気勢だった孫は、本番を前にビビっていた。
弱気になる孫に、祖父は。
「いいか。負け犬ってのはな、負けるのが怖くて最初から何もしないやつだ」
と教える。
孫に勇気を与えた祖父は、翌日ヘロイン中毒で死んでしまう。
作中最も虚勢を張っていながら、彼が最も精神的に弱かったのだ。弱音を吐ける相手がいなかったから。
だが、この言葉があったからこそ、少女はラストで重大な決断をするのだ。
「勝ち組」「負け組」など、勝負格差が顕著だった時代に撮られた、「勝ち負けの判定自体がくだらない」と思わせてくれる作品だ。
大事なのは、勝負することなのだ。
結果なんて、どうでもいいじゃないか。
映画の視聴後、あなたはそう思うだろう。
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