『死霊館のシスター』 全ての元凶

 1952年、二人の修道女が地下墓地へ向かう。戦争で復活した悪魔ヴァラクを封じるために。

 目の前の扉には「神はこの場所で死す」と書かれていた。

 


 とある公爵が、修道院内で多くのシスターをイケニエにして、悪魔を召喚しようとしていた。


 その名はヴァラク。ソロモン72柱の魔物だ。


 召喚直前に教会が踏み込んで、キリストの血を以て封じられた。


 しかし、戦争によって封印にヒビが入る。

 


 悪魔を封印する儀式を行おうとした二人は襲撃される。

 追い詰められた一人は、重要な鍵を手に、自室から首を吊る。


 尼僧の自殺はバチカンにとっては大罪とされていた。

 それだけ、修道院で異常事態が起きていると、バチカンは判断した。

 

 尼僧見習いのアイリーン(タイッサ・ファーミガ:清水理沙)は、バーク神父:(デミアン・ビチル:てらそままさき)と共に、尼僧自殺事件の調査に同行することになった。

「アイリーンがルーマニアに詳しい」と聞いてきたからだという。

 だが、アイリーンはルーマニアに土地勘があるどころか、ミリも知らない。


 二人は、死体第一発見者のフレンチー(ジョナ・ブロケ:岩田翼)を訪問する。

 馬すら恐れる修道院へ。


 ロウソクが灯っており、人はいるようだ。

 が、異様な気配が常につきまとう。




 案内役でしかないフレンチーは、一旦村へ戻るよう指示を受ける。

 だが、その帰りに怨霊に追いかけ回された。


 側に合った十字架を引っこ抜き、お守り代わりとして持ち帰る。

 

 

 かつて、バーグ神父は悪魔付きと診断された少年を助けられなかった。

 今でも、少年の怨念に悩まされていた。


 深夜、少年らしき人影が、修道院を徘徊していた。

 追いかける神父は、棺に閉じ込められ、土に埋められてしまう。


 必至で助けを呼んで、アイリーンに掘り起こしてもらって事なきを得る。


 翌日、アイリーンは一人、男子禁制の修道所へ踏み込む。


 アイリーンを無視して祈りを捧げるシスターの代わりに、シスターオアナが彼女の面倒を見るが。




 安全なシスターと思わせて、実は悪魔が憑依しているという設定だ。


 アイリーンが入り込んだ修道院も、気がつくと辺りにクモの巣が張っている。

 全ては幻覚だったのだ。世話をしてくれた女性も。


 ヒントは、ベッドにくくりつけられたヒモの後。

 アイリーンは、自害した修道女の部屋を取らされていたのだ。


 ラストまで見ると、すべてが悪魔の仕組まれた罠だったんだと思わされる。


 そりゃあそうだ。

 シリーズはまだまだ続くのだから。



 本作は、「死霊館」「アナベル」両シリーズの時系列トップに位置し、いよいよ黒幕が判明するという位置づけにある。

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