屋敷の売却
まだ日本にいる。コロナが起こり、思わぬして。俺、結局、今や地縛霊扱いなんだよ。びいがあまりにどうしようもないため、なし崩し的に俺が面倒見ていたら、こんなことになった。コロナが起こってから約一年ちょっとか。
俺の世界にたまにチラッとだけ戻ると、同じようなことになっていた。Bに女ができ、屋敷を売ろうという話が出てた。いや、もうどうでもいいよ。
あの家に住み続けるのは困難。とにかく金がないとどうすることもできない。やはり風水的に長方形すぎて無理。住むには正方形に近づけねばならない。
最低500万円はかかるだろう。簡単なテラスを増築するのも。だが、やはりガラス製のテラスだと、季節の良い時はともかく、実際はまあ、そう有効活用できるまい。
エッフェル氏が設計したような雰囲気のテラスを増築したかったんだけどな。エッフェルさんて誰? と言うなら、パリのエッフェルタワーみたいなイメージと言えばわかる?
パリの中でも、所々、彼の設計した建物のファサードとかがあるのさ。お、ここってそうじゃね? とか、思いながら歩くのは面白かったがな。
今や「腐ってもパリの状態」になったな。日本にいるからな。それにしてもひろゆきさんはすげーな。この状態のフランスに住み続ける意味ってなんなの?物好き?
俺はびいの世話で手一杯で、自分のことが何もできなかった。おまけに俺は地縛霊のように扱われてるから、いちいちびいのお母さんに「あの、今、誰と喋ってると思ってるの?」と言わねばならなかった。
ついでにびいの世界でも、屋敷の売却話が出てたんだよ。もうこの辺り、説明が面倒臭い。このだらだら続く、わけわからない物語が全然「一旗あげる」にならないせいで、読者がゼロだ。すげーよ。
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