第323話 風呂。


 俺は相変わらず3〜4時間くらいしか寝てなかったが、起きた。Bに弁当を渡し、送り出す。疲れてるせいで超手抜き。ツナのサラダとパンとミカン。ルッコラとビーツとにんにくのみじん切りとトマトとレタスにネギ。B、ごめん。


 俺はこんなことが続いたらまずいと思ったが、部屋は荒れ放題だった。洗濯物だけかろうじて、洗って、昨日から着るものはあった。掃除機を10日以上はかけてない。10日くらい、一体なんだと思うが、この家は隙間が多すぎる。普通の家に比べたら、5倍速以上のスピードで埃だらけになっていく。おまけに春だから、蟻が住み着き始めた。俺はとりあえず、今やってることだけ、何とかさっさと終わりたかった。


 「お前、家にいる主夫だろ?」


 Bはそういう意地悪なことを、絶対に言わない。俺はそれでも、俺の役目だろ、家にじっといるんだから、と感じて罪悪感を募らせた。今やってるこんな程度の仕事じゃ、子どものお小遣いにも足りない。俺は求人欄を見ていたが、全部皿洗い。すぐに手が荒れ、爪が折れるような俺には無理。俺は作業しすぎのせいなのか、手がボロボロに傷んでることが多かった。どんなに気をつけても、ダメなのは兄貴も同じだ。職人の手だからな。シリコンがダメなのか、ラテックスなのか、ゴム手袋もダメだった。俺は、実は肉体労働の仕事をやったことがない。母さんに怒られ、反対されたから、飲食店もない。


 「岬、あなた、いつも女の子に追いかけ回されてるんだから、カフェやレストランは絶対ダメよ。あなたが上がる時間を待って、絶対に店内で粘る子が出てきて、トラブルになるのは目に見えてるから」母さんはそう言った。


 俺は、海外ならそこまでじゃないから、飲食店で働いたスキルがゼロは厳しいと感じていた。海外の大都市の、「語学の要らない求人」は飲食店業ばかりなのだ。弟の方がモテていたはずなのに、俺の方がストーカーに合う率が高かった。俺が優しすぎるせいなのか、地雷を踏んでしまう。俺のいない間にやってきた子たちと、母さんが勝手に話をつけたことも多かったらしかった。金? 一体どうやって?


 そういう意味で母さんは、実は俺よりも百戦錬磨なんじゃないか。母さんも、あれだけ綺麗なら、男に追われそうだが、なぜか母さんの場合は、きっちりはっきり、断ることができていたようだ。俺は不思議で仕方なかったが、可哀想な猫や犬を拾ってきてしまうのは家族の中で誰もいず、常に俺だけだったから、何か「性質的なもの」なのかもしれない。兄貴が「お前な、最期まで世話しないなら、拾うな」と俺の拾ってきた猫や犬を、死ぬまで面倒見続けながら、そう言った。「だって仕方ないだろ、海外に連れていけないんだから」


 俺は久々に鼻まで風呂に浸かった。ゲラントの塩をたくさん入れたから、これで邪気が勝手に払われるだろ。一石二鳥だ。海外の最悪な面は、風呂に入りたいと言うと「うわあ勿体無い」という顔をされることと、物理的にバスタブがない部屋が多いということだ。現実、水道代が高いらしい。「らしい」ということしか知らない俺だったが、うちは他の3〜4倍ほど水道代を払っている、とBが言う。


 いやそれはさ、俺のせいじゃない。絶対どこからか、漏れてるぞ。俺、風呂入らない。シャワーだけで我慢してるから。


 水漏れが事実でも、治しようがなく、一箇所だけはBがなんとか治した。俺ね、水道はダメなんだ。なぜか。触ろうとすると、爆発的に、パイプのチューブから、水が天然温泉のように吹き出す映像が見える。何かあるのかもしれないが、あいつ、あいつの前世と今が、水道工事と関わりがあるんだよ。今は違うけど。何かある、きっと。


 あいつに初めて会った時、水瓶で水を売っている中東の子どもの映像が見えた。「お前、水、売ってる」


 乾いた国で、その仕事は子どもがするのか知らないが、俺は小さな女の子で、あいつのことをすごいな、と思って見てた。大変だから、大きなかめを運ぶのも、売り歩くのも。仕組みはよくわからないが、多分、あいつは13歳か、14歳か。俺は4歳くらいの女の子だった。


 俺は思わずそんなことを口にしたんだけど、それを聞いたあいつは「俺、初めての就職先な、水道工事屋だった。だからなんでも工事できる」とボソッとつぶやいた。


 面白いだろ? Jさんにしろ、あいつにしろ。俺、前世が見えちゃった。でもその時は、なんとも思ってなかった。ただパッと見えたことを口にしただけだ。そんなふうに、過去生くらいなら、会っただけで見えることが多かった。そういうこと、占いやなんかで金を稼ごうとしたら、Bと母さんから、こっぴどく怒られた。確かに、何も見えないこともある。見えない時はそう言うから。でも、そんな問題じゃないらしかった。


 俺は簡単な未来なら見えることもある、インチキじゃないよ、とBに言ったが、Bはとにかく、そういう「困ってる貧乏人」を食い物にするような商売はやめろ、と言って、俺は結局、こっちで人相見することはなかった。本当は、そうやって能力を使って、人を助けてあげたら喜ぶと思ってたんだけど、Bはダメだと言う。今は細々、ご縁のある人だけ。


 I先生も似ている。先生の方がすごい。俺の能力はそれなりだから、それだけではとても見切れない。だから本格的にはやらない。I先生は、話してすぐにわかった。この人は信頼できる。占いだから100パーセントは当たらないんだけど。


 実はさ、俺はあの子の未来をずっと前に見たことがあるんだ。でもその未来は来なかった。俺はとてもショックを受けた。100パーセントその未来が来るはずを、俺が変えたんだ。俺のせいだ。何でかわからない。なぜそうなったのか。


 でも、実は未来というのは、ほんのちょっとしたことで変わる。俺、パラレルではまだその未来、続いてるのを知ってるんだ。とてもややこしいが、ほぼ、これらの話はタブー。パラレルと未来の話。過去の話はできる、でも俺が言おうとするこの仕組みをあんまり、人に広めると、とてもややこしいことになるから。俺自身、よくわからない。あの子が幸せに生きてるパラレルの世界があること、実は俺、知ってる。


 パラレルの世界で、あの子が生きている世界はまだあるんだ。俺がそこにいるのかどうかは不明だ。わからない。何も起きなかった世界。俺はその世界の方の未来を見たんだ。だから、安心しすぎてた。彼女は、結婚する。誰かと。俺は、祝福して、友人の席に座ってたんだ。彼女のウエディングドレス姿。はっきり覚えてる。なぜその未来が来なかったのか、俺は、信じられない思いでいる。その未来を見たがために、俺は、信じてた。彼女に何か起こるなんて、これっぽっちも心配したことなどなかったんだ。幸せそのもので、相手の男も、とても優しそうな人だった。


 でも、まだそのパラレルの他の世界は終わらずに続いてる。本当にややこしい。俺はどこに住んでいる人なのか、基本的な「住みか」はどこなのか。頭がこんがらがる。上手にうまく説明できない。パラレルのそっくりさん同士が、全然関係ない文脈で出会うと、本当にややこしいんだ。わけがわからない。元の住みかの方は一体、どんなふうにその時、なってるのか、ちょっとわからない。パラレルワールドが「消失して、ない」ということは、ないはずなのに。


 パラレル・ワールドに住んでいる、自分とちょっとだけ条件を違えた人。実はそんな人がいっぱいいて、今ここで出くわしたら、すごくややこしいんだ。


 俺はそんな人をいっぱい見てる。俺と彼女、仕事を回してくれてる彼女も、年齢やいろんなことは違うし、同じ次元、空間、現実を共有してるけど、まるでパラレルの魂の双子みたいに、そっくりだろ?


 魂の双子みたいなのが、ばったり出くわす場面にはよく遭遇する。だってBだってそう。Bに出会った時、俺、Bのパラレルに先に出会っていたから。過去生とパラレルは違うのがよくわかる。占いが外れるのも、見た世界は結局、サイドのパラレルになってしまい、今、自分がいる現実とは結局、繋がらなかったせいだ。選択で刻一刻と到達する未来が変わるから。


 とにかくさ、だからパラレル・ワールドと未来のことについては、俺自身が本当に身については、わかってない。なんとなくとしか、わからないから。とにかく変だとしか、わからない。


 でもね、あの子が死んでない世界に、俺が飛べるならどんなに良かったか。それは成功したことないんだ。絶対にあるというのがわかるのに。現在にアタッチしてる感じが強すぎて、パラレルの世界に全て体ごと移動する方法がよくわからない。あっちには条件をほんの少しずつ変えた「全てがほぼ表面だけ違えたそのまま」の世界もあって、そうしたら主人あるじが二人になったり、よくわからないだろ?俺もよくわからない。ただ、紹介することはある。この二人、実は同じ人、表面だけをちょっとバージョン違いさせただけの人。そのパターン結構あるけど、とても変な感じがするよ。実はどうなってるのか、他人の空似なのか、今もよくわからない。


 二人というのは、パラレルワールドの「バージョン違いの二人」という意味だ。そんな人が、なぜここで出会うの?おかしくない? じゃ、あっちの世界はどうなってるのか、俺は、そのことが本当によくわからない。


 それにしてもさ、ことごとく、俺のできることは「ノー」が入るだろ?今は時々、困った人を「見てあげる」ことがある。すぐに直感で、答えはわかるけど、聞いた人は必ずしも答えが欲しいわけでないことが多々ある。納得いかないという人もいる。


 すごい値段を取るわけでなく、小銭感覚だから、そんなことも仕事になるわけがない。すごい金とったら、絶対当てなきゃならないし、インチキだと騒ぐ人も出たらややこしい。俺はだから、ほぼボランティアでやってる。俺は、こういうことで金を稼ぐのは、Bではないが、実は正しくないと思ってた。人が俺に依存してくる。それはその人にとって良くないことだ。たまにある、俺に金を突っ込みたがる人が。それはまるでホストにハマるとか、競馬やギャンブルの博打の感覚に近い。もちろんそういう人はすぐに断る。でないと俺、すっごい悪者じゃないか。困ってる人が俺に金をどんどんつぎ込むなんて、むしろ俺がその人を不幸にすることになるじゃないか。


 でもさ、密かに王子くんなんかも同じパターンに嵌りやすい。結局、俺たちに金を注ぎ込もうとする女性に出会うことがあるんだ。それね、王子くんの名誉のために言うが、そんなのアテにしてないよ。


 俺はさ、百歩譲って、家の金食い虫だよ。そんな偉そうなことは言えない。だが、王子くんは自分で何とかやってきたし、女を食い物になど絶対にしていない。俺、知ってるもん。色仕掛けみたいなの、絶対に使わない。


 王子くんは、侍だし、俺もこの立場で言っても、説得力ないけど、俺だって嫌だ。こんな状態は。ホスト系の雰囲気は、どうしても、自然にそうだから仕方ないんだよ。切っても切れない。わかんないよ、もう。生まれつきだから。でも、俺たちは水商売にいたら、成功しそうでも、そういう世界に住んでないよ。王子くんもさ、バーテンダーやってた時あったけどさ、それは本当、働かないと仕方ないからバイトしただけで。


 俺はバーテンはやったことない。酒が飲めないし、母さんが怒る。お前、マザコンなの?という奴は今まで一人もいなかったけど、俺は、兄貴はちょっとマザコン入ってると思う。俺は、残念ながら違うね。だって、母さんにこんなに冷たい。俺はね、自由って意味で母さんを恨んだのかもしれない。俺をもっと自由にさせていてくれたら、もっと逞しくなれた。そんなの自分のせいじゃないかと言われるかもしれない。だけど、海外に出れたのは奇跡に近い。目を盗んで外に出たに近いよ。兄貴が送り出してくれたから。


 でなきゃ、家に縛り付けられてたさ。


 でも、家系だと思うんだ。いろんなこと。父さんの家系は、ちょっと霊感あったと思うよ。多分ね。俺と縁があって、よほど困ってる人、しっかりしている人なのに、どうしても解決がわからない時だけ、安価で助けてあげてる。それはバイトというよりはボランティア。でも俺、今や本当に怪しい人間になってる気がする。結局さ、占いや予知はさ、怪しいジャンルでしかないんだよ。いくら当たったとしても。ま、俺、経験あるけど、狐か何かが憑くと、実はよく当たるよ。俺、子どもの頃、憑いてたと思う。なんでわかるのかって、鏡見たらわかる。


 あいつも俺も、蛇だった前世がある。はっきり覚えてる、面白いだろ? だからさ、まあ、いろんなことがわかるよ。動物の前世ってないと思ってる? あるんだよな。俺は他にもたくさん経験あるよ。虫の経験とか。本当に感覚が人間と違うよ。死ぬ時も一瞬。だから俺、子どもの頃、虫のことがよくわかった。気持ちとか。虫にも気持ちある。驚いた?ゴキブリとか、「ゲッ」って、誰か来たら思うんだよ。あっちがそんなこと思ってるの、知らなかった?俺、いつも真夜中に起きてるからさ。出くわして向こうも、「こんな時間にまだ起きてる奴がいた」ってギクってしてる。やばい、ヤられる、とか。ゴキブリの考えることって、本当に単純だから、そういう意味で、生きるか死ぬかしか考えてない俺も似てるね。苦笑するよ、全く。


 まあ、俺、だからこの家に来るまで、虫も殺したことなかったんだ。ものすごいカルマを積んだよ、爺さんのせいで。「見たら殺す」モードが入ったのは、何かに憑かれたせいかもしれないと今は思う。本当に怖いね。


 今は俺に、何も憑いてないよ。金銭とか、何かに特別に執着あると憑かれやすい。あ、俺、今は女にばかり目がいってるから、それは怪しいね。何か餓鬼にでも憑かれたとか。


 お腹が空きすぎるとか、太るとか、まあそういうのも注意。あと異性の生き霊と、水子だね。


 たまに相談がある。いろいろ辛いとか。憑かれやすい人はしんどい。まあでも適当に流すしかない。自分の波動を高めて、低級なものと同調しないようにするしかないから。


 自分が他の存在に憑かれたくなければ、常にそのことを自覚することだね。俺のこのオートライティングも本当はまずいね。体を使いすぎる、精神をハイにして、真っ白にさせすぎることは要注意。音楽とかも要注意。



 俺は自分がいつ死ぬのか知ってる。それを当てたら、母さんもBも、ちょっとは俺のことを信じると思う。だけどBは、俺のことを化け物でも見るような顔して、その話を嫌がり、耳を塞ぐ。


 大丈夫だよ、死んでもどうせ大抵、また転生するから、どうってことない。


 俺がそう言っても信じない。まあ、俺も、そういうゲーム感覚で生き死にを話題にするのはマナー違反と知っている。それにだってさあ、みんなが知ってたら、みんな真剣に生きないだろ?それはそう思う。だから記憶がリセットされてて、ちょうどいいんだ。俺は、途中までリセットされてて、良かったと思う。そうじゃなかったら、新しいことを覚えきれなかった。日本語以外の言語を、しっかり思い出そうとしてもかなり難しい。そういうことよりむしろ、体を使ったことの方が覚えていられるから、その方がいいよ。スキルのようなことの方が、ずっと体に残るから。ピアノを弾くとか、音楽とか、包丁さばきとかね。


 でも記憶自体は残らないよ。俺は女性だった時、どんなセックスをしていたのか、どうしても「具体的なテクニック」は思い出せない。感覚的なことしか思い出せない。だが、そんなの思い出すと、ややこしいに決まってるから、今のままがいい。女と寝ていて、手に取るように、相手のその感じがわかるが、依存の感じも同時にものすごく切実に理解してしまうから、だから何度も同じ人と、同じことができない。


 結局のところ、俺ができることの全ては、不毛な結果にしか繋がらないから、今のようになっている。それはきっと残念なことだと思うんだが、同時に、ひとところで固まるように、人生が硬直してしまうことを避けるためには、仕方ないのかもしれない。



 俺、バスタブがない部屋に住んだ時、庭にドラム缶の露天の風呂を作ろうかと真面目に考えた。そんなの造作なかったが、当たり前だが、庭がない。


 俺はぶくぶくとお湯に浸かって、それから、いつまでも浸かって、風呂でやる仕事なら得意なんだがな、と考えた。


 胴元になれば、めちゃめちゃ稼げる。何人か女の子を事務所に置いて、電話あったら派遣して。とんでもねえな、俺。無許可でそんなこと当たり前だがやったら犯罪だから。稼げるって、とんでもない。それ人間のクズだから。


 俺はため息をついた。美人局みたいな、置屋のババア。生かさず殺さず、俺たちをうまくまとめるあの感じは、本当になんとも形容しがたい。


 そんなことを思い出すのは、金切り声の老婆に出会ったからだ。爺さんとそっくりな癇癪持ち。


 俺ね、思い出した。この頭がちょっとおかしいような強引な老女、無茶な商売やってたわ。俺ね、生かさず殺さずでなく、このままだと死ぬと思って、脱走を企てた。懐かしいというか、本当についこの間のような気がするくらいだ。いやほんとね、こういう世界とすっぱり縁を切った現在に生きているのに、こんな詳細を思い出すなんて、本当にダメだ。なぜ忘れたままでいなかったんだろう?


 悪魔と出会ったせいだ。記憶。たくさんの記憶。


 俺、本当に切ない気分になったが、同時に、たくさんの記憶を思い出した。忘れていた方が幸せな記憶。


 俺、ものすごくいつも綺麗な女性が多かった。男の海賊だった時は、どうしようもないような風体の男で、醜かったが、それ以外の時は、まあ、大抵綺麗な女性だった。他に男だった時、線の細い男だったね。ゲイみたいな感じで。今?今とそいつはちょっと違うな。そいつはもっとなんというか、線が細いね。繊細というわけじゃなく、神経質な感じで。神に仕えていながら、ゲイはダメだろう。そのことに悩んでいた気配はある。混沌とした意識を思い出す。生真面目ではあっても、神に仕えてはいても、何か揺らぎがある男。俺、そいつと今の俺とだったら、どっちもどっちだが、そいつの方が一見ましに見えて、俺は今の俺の方がいいな。


 だって、本当に揺らぎすぎだと思う。出家なんてせず、普通の市井でゲイとして生きた方がましだと俺は思う。でも、その当時、ゲイは本当に焼き討ちに合いそうな憎悪をぶつけられがちな存在だった。なぜなのか知らないが、その状況では確かに、ゲイとカミングアウトは無理だろう。


 俺はあの子のことを思い出した。パン買わなきゃ。でもまたペンダントの話が出ると気まずい。行きたくないな。月曜が休みなら、家にたくさんあるから彼女にここまで、見に来てもらう?家に招待するなら、いっぱいある。売るほどどころか、本当に捨てるほどあるから。


でも、女を家に入れるのはまずいよなあ。なんとも思ってなくても、二人だけになったら、また俺、何するかわかんない気がして来た。こんなに女に飢えた状態になるって、本当に信じられない。飢えてるというよりも、手が届くところにたくさん食べ物があるのに、断食してるような感じ。


 俺好きで断食してるんだけど、なぜセックスしたくなるんだろう?


 すごく疑問だった。当たり前かもしれないものの、ここまで執着を持つの、おかしいと感じ始めていた。今までこんなじゃなかった気がする。むしろ、あんまり興味ないというか、迫られすぎるから面倒臭かった。迫られることが減ったから?それはそうかもしれない。何もしなくとも、相手から来られてそれを断ったら、半分くらいはお腹いっぱい。面白いけど、何もなくても、ある意味、寂しくなくなる。


 俺、今、寂しいのかも。ただ、それだけなのかもしれない。


 そこまで考え、あの子とは過去生で同僚だったことを知っている俺は、あの子の顔見てると、なぜかお風呂入れたくなるし、と思い、いやそれは真面目にまずいだろ、と考えた。


 あの子と俺は、踊り子だった。中東の衣装の詳細。もちろん今回の生では実物を目にしたことはない。イベントで誰か踊っていたみたいだが、俺も踊れるよ、多分。男の体だとうまく動けないかもしれないが、あの踊りはな、結局まあ、セックスのための準備運動のようなものだ。トレーニングな。


 あっちじゃまあ、そういう世界はそれなりだ。俺はそれこそ本当に、あらゆる貴人のハーレムを知っているな。女ばかりの世界は案外楽しい。人を蹴落とすとか、ありそうで案外、そうじゃなかった。


 女ばかりだと安心するんだ。あの子と会うと安心するのは、同じ世界に生きていたせいだ。ハーレムの中にいると、仲の良い友達ができる。一番寵愛されてる人、二番、三番、四番……何人くらいいたかな? 俺は思い出そうとした。とにかく多いから、数え切れない。その中で、まあ、でも全員知ってるといえば、知ってるんだ。20人? 30人? 数えたことないからもっとか?


 あんまり人が多くて、下の方だとさ、争いとか起きないよ。面白いんだけど、あんまりギスギスした感じはない。姉妹みたいに、面倒を見合うみたいなところがあって、頂点にいて支える人は絶対だから、その下に本当に寵愛を受けている人たちがいて、ああ、でも微妙なんだよな。


 すごく若くて、綺麗な人がトップで寵愛を受けた場合、その人が新参者で性格が良くて弱いとかなると、もっと性格の強い人なんかの二番手、三番手が、黙ってないような感じになることがある。そのあたりのバトルはすごい。むしろ、二番、三番、四番。それくらいの場所が最も、激しい戦いの場所みたいな感じ。年取ってくると、またいろいろ状況も変わるけどね、でも、一番に愛される人はやはり性格も良かった。


 俺たちのいたレベルは、そんな上の方じゃないから、全く気楽なものだった。俺、楽だなあ、と思ったもん。仕えていると言っても、ある意味、本当、気楽。そんなに大変じゃなかった。そりゃあ体を売るのに比べれば、ずっと安心する状態。一応囲われてるから、他の誰かと寝ないといけないというのもなかった。そうでなくて、日替わりのように働かなきゃいけない立場は本当に大変だ。


 俺は、あのパン屋の子も俺も、似たようなポジションだったから、惹かれ合うのだろう、と感じていた。中くらいの場所は人数も多くて目立たないし、雑用ばっかりで楽だから。


 風呂と考えただけで、これまでの経験から、体を売る商売のことをまた考えるなんて、俺はそこまで考え、胴元になるとか、女のヒモかよと真面目に俺って馬鹿?と湯に沈んだ。いや一つ言っておく。人間というのは、ずっとやってきた馴染みのあることから抜けられない。


 そう、そうなんだ。いつもそうやってきたから、自然に頭がそっちに行った。確かにまともじゃねえ。


 俺は女性の前世では、いつも売り飛ばされ、悲惨な人生を送っていたから、よく知ってるが、正直、今度はその上前をハネる側に回るというわけか? 俺もなあ……よくそんなこと考えついたよ、それって、進歩と思えねえよ。


 俺は母さんが「家の恥になる」と大声で叫んだことを思い出した。そうだよな、こんな息子、恥以外の何物でもないというやつだ。


 俺は、俺の過去生の女性たちを、本当によく頑張ったと思っていたが、そんなことは誰にも伝わらない。俺だけが、真実を知ってる。好きでやってたんじゃない。それしか生きる術を与えられてなかった。


 誰にそんなことがわかる? 汚い仕事だと蔑まれ、簡単に若くして死ぬ、そんな仕事しかできない底辺に生きて。今の人は誤解してる。楽しいとか、援交とか。そんなライトなもんじゃない。今の時代のソープやデリヘルやってる子なんかと比べもんになんねーよ。いや、今もいると思う。売り飛ばされた子や家出して、そこから抜けられなくなった子、ヤクザの紐にしっかり足首掴まれて、上がって来れない子。今もいる。


 だけど、俺が経験した子たちも、本当に悲惨だった。学もないし、あっという間に、まだ何も知らない子どもなのに、親に売り飛ばされて。


 俺、あんまりそんなの思い出すべきじゃないな。Jさんの顔、忘れない。いや、Jさんは悪くないよ。Jさんが船を出してくれて、俺、あれが最後のシャバだった。他にも女の子たちは乗ってた。子どもみたいな子ばっかり。俺って何歳だったんだろ。13、4歳くらいだろうか。俺は何も知らなかったけど、知らないとは言ってもわかってた。怖かったけどJさんは優しい人だとすぐにわかった。Jさんは俺たちに、もちろん指一本触れないさ。


 曇った日で、せっかくの外が最後というのに、ずっと曇った肌寒い日だったな。この話、前に書いた気がする。俺ね、記憶が変だといつも思う。俺の記憶ってループしてないか?


 ちょっとずつパージョンが変わった記憶が、無限にループしてるように感じるんだ。パラレルかもしれず、本当にややこしい。微妙にバージョンを違えたような光景が見えることがある。そうすると、どんどん分岐が増えて、考えれば考えるほど、増えていくから、理解が難しい。13、4歳で売られるのはまだマシな方だ。もっともっと早くに売られたこともある。俺、多分、6歳くらいだった。いや正直、もう話さない方が良いと感じる。まともな世界じゃないから。あまりにも悲惨な話を、今回書きすぎたと後悔しているほどだ。実は俺、8歳くらいにはそういう、何か真に迫った、不思議な切羽詰まった感じを感じたことがある。俺、親に売られる、というキーワードにすごく反応するんだ、昔から。それがとても不思議だったんだが、いまになってその理由がわかった感じ。


 小学生の時、本当に外にいても、街ではぐれたり、親が約束の時間に塾に迎えに来てなかったりしたら、青くなってた。無意識で捨てられた、また捨てられたと感じていたらしかった。また、間引かれるという感覚がすごくあって、親に捨てられる、殺されると無意識で恐怖を感じていた。こんな平和な時代に生まれているのに、おかしいだろう?うちみたいに恵まれた中流の家庭で育って、優しい父母がいるのに、理由が説明できない。俺がここまでそういう、売られるとか、捨てられるとか、考えてしまうこと。


 子ども心にとても疑問だったが、のちに解けた。でも、むしろ疑問のままの方が良かった気がするね。


 俺が好きな人としか、絶対にできないと感じる理由がこんなところにあるんだ。俺の過去生の女性たちは、体を売っても、心は売らなかった。ボロボロになっても、意識がないような状態になっても、体を預けても、心は、心は、売り渡したくない、そう思って。実のところ、俺は、白痴みたいに放心してる精神状態もよく知ってる。あまりにもそういうことばっかり、そういうことだけしかない場所にいたら、やっぱり頭がおかしくなる。空白みたいな、何も書かれてないノートみたいな頭の中になって、自分がここで何をしているのか、もはやわかってない。昨日も今日も明日もないし、未来もないし、ただぼんやり、やりたくもないことを死ぬまでさせられる。


 「身受け」みたいなパターンはないこともない。でも、汚れきった中年になって、もう本当に死ぬのを待つだけというのを経験したこともある。迎えに来ない人を待つという感覚は悲惨で、結局、迎えには誰も来ないまま、死んだ。俺はあの時の涙も全く出ないような感じ、今でもはっきり覚えてる。感情みたいなものはとっくの昔になくなってるから、泣いたり怒ったりというのもないし、何か解決に向けて考えるような知性、知能も、もはやないんだ。


 俺が頭が悪いのを毛嫌いする理由がわかった? 考えることもできないような状況に置かれる経験をよく知ってるから、何も考えない、考えられない悲惨さをよく知ってるから、今はとにかく、フル回転で常に考えることを繰り返すのさ。昔、それができなかったことをよく知っているから。あまり幼い頃から、セックスだけを仕込まれたら、そんな人間になってしまう。本当に可哀想だ。俺自身がそんな可哀想な人だったから、よくわかること。でもこんな話、絶対に母さんにできない。潔癖な母さんはきっと俺をぶつよ。いい加減なことを言って、そんなの誰かが信じでもしたら、と。きっとそう言って叫ぶ。


 仕方ないじゃないか。俺はまるで見てきたように、そのことを手に取るみたいに感じているのだから。俺が知っていると思い込んでること、それは幻覚かもしれない。確かにそうかもな。悪魔が見せたフェイクの過去生かもしれないんだ。


 それにしても、それにしても、リアルだと思わないか? 俺は、これがフェイクなら、現実はどうなってるんだと感じる。ここまでリアルなフェイクがあるなら、現実はもっとリアルでも良いはずなのに、俺の現実は大したことない。現実の方がずっと嘘っぽくないか?


 Bのために料理して、家片付けて、仕事ない、やばいと言いながら、無限に上限なく使えるような家のクレジットカードで金を払う俺。


 これを読んでる読者さんからも平手打ちを喰らいそうだよ。そんな気がする。俺は一生懸命生きているつもりだけど、甘い、ときっと罵られる。今までもそうだったからな。


 あのお嬢様だけが、わかってくれるかもしれない。お嬢様ほどじゃないから、俺は。あのお嬢様、スイートに泊まって一年近く海外にいた。もっとかもしれない。一体ホテルにいくら払ったか、俺は知らない。


 俺も長い間ホテルに過ごしてたが、俺たちは無料だったからな。彼女の場合、無料な訳がないから、普通に料金払うだろう。長期滞在だから、ディスカウントぐらいはあるかもしれないが。


 お嬢様はお金持ってないと言っていたが、それは嘘だと思う。俺が綺麗なネックレスを指差して、それ、素敵ですね、と言ったら、お嬢様はフェイクの安物なの、と言った。


 無駄ですよ、嘘をついても。


 俺は宝石を見る目があるのだから、そのネックレスも、綺麗な長い指にはめた指輪も、いくらくらいするものか、すぐにわかります。


 俺はそんなことはもちろん、何も言わず黙ってた。お嬢様は、自分の身元がわかるのが怖いと思ってる。その気持ちはよくわかりますよ。彼女は、俺が連れて言ってあげたお料理教室の記念写真に入ることを拒んだ。自分の写真がそうやって、誰かに見られたら、どこの誰だか、わかってしまうから。


 実はお嬢様には言ってないが、お嬢様に出会ったのは、初めてじゃない。すぐにわかった。踊り子だったことは何度もあると思うが、やはり中東で、踊り子をしていた時の同僚だ。


 とても懐かしい。全然変わってない。


 彼女が俺のこと、好きでいてくれるのも、彼女自身は気づいてないが、俺たちはいつも助け合って側にいたからだ。俺は女だったが、彼女は俺のこと、過去生で出会ってることなんて、きっと覚えてはいない。だが、無意識ははっきり覚えてるから。だからこんな風にご縁がある。


 踊り子をしていた時は、そんなに悲惨ではなかった。もっと悲惨だったことというのは何度でもたくさん、数え切れないから挙げきれない。俺が銃のことをよく知っているのも、客は普通に銃を携帯していることが多かったからだ。それから、気に入らなかったら、すぐに殺される。仲間もあっという間に死んだり殺されたりするけど、最初からいなかったのと同じになるんだ。それの意味がわかる?俺たち、女の子たちは、最初からいないような存在ってことなんだ。最初からいないんだから、死んでも関係ない。


 戸籍という意味でも、社会という意味でも、いないのと同じなんだ。それって人間以下って意味なんだけど、その感覚、伝わるかな。人権というような、大それたものじゃないんだ。生きている、が、モノ以下の状態。


 例えば綺麗な服を着れるとか、綺麗に化粧できるとか、そういう恵まれたこともあったよ。時代によっては。でもそれ以上に、いや待て、恵まれるって、語弊がある。捨てられて、ご飯も食べられない子どもにとっては、っていう意味なんだ。わかる?


 屋根があって、寝られて、ご飯も一応食べられる。


 そういう意味だよ。だからまだマシという意味。ずっと体を売ってるとおかしくなってくる。本当におかしくなる。いや、恵まれるとか言葉が釣り合わない。寝られて、食べられるけど、おかしくなる仕事。子どもだから、何もわかってない。大人になったら、白痴みたいな精神状態の廃人になるから、それまでに死んだら、まだマシなんだ。


 ごめん、ここまで悲惨な話をここに来る人にしても仕方ないね。俺の壮絶な過去生、ごめん、母さんには絶対にわからない世界なんだ。俺のこと殴ったって、俺の記憶がなくなるわけじゃないから。この記憶がフェイクであるなら、俺はむしろ、本当に嬉しいよ。これがもし、悪魔の見せた幻影で、事実と異なるのであれば、悪魔の技量を褒め称えるね。ここまで悲惨なもの、よく作り込んだよ。


 俺はあの、頭がボーッとなった、白痴みたいな状態、あれを嫌悪するんだ。だから酒も飲まないし、自分はセックスしない。女に感じてもらうことだけでいいのは、俺自体がぼんやりすることに耐えられない。ああいう空白に耐えられない。俺は意識をしっかり持ってたい。あんな白痴みたいな空間に自分を二度と置くのは嫌なんだ。感じたくない、俺は感じさせるだけの立場でいたいんだ。だからセックスが嫌いなんだ。相手に感じて欲しいだけで、自分は何も感じたくない。


 でも誰が、そんなことを知るもんか。俺は、誰にもわからないと感じていた。俺だけが、よく知っている。誰か助けて欲しいと、毎日、毎日そう思いながら客を取って。誰かが、助けに来てくれたら。金があれば。こんなところから逃げ出して自由になりたい。自由に生きたい。


 俺はそんなことをよく知ってるのに、胴元か。俺が売られる日、Jさんは優しかった。俺だけじゃなく、みんなにな。それでも俺、まるでJさんは、俺のことをよく考えてくれてるように感じたよ。両親がわりみたいに。短い旅の間だけだったけどな。俺、よく覚えてる。あれは、最後の、人間らしい日だったから。


 俺がセックスが自然に上手いのも、当たり前なんだ。プロだからな。それしか仕込まれてこなかった人生を何度も何度も、数え切れないくらい繰り返したんだから。


 俺は何度生まれ変わっても、同じ場所から抜けられないことを体験していた。今回は、何て恵まれているんだろうな。それなのに、大したことはできなかった。ものすごく申し訳ない気がしたが、それでも俺は、まだ諦めたわけではなかった。


 最後に、全てを裏返すオセロのゲーム。


 俺は、絶対に諦めないつもりで、しがみついていた。俺の生き方、選択が、過去生、未来とパラレルの全ての存在に連動して影響する。俺は最後までしがみついて、絶対に諦めないつもりでいた。


 自分が幸せになることなどよりも、このゲームの結果を、俺がなんとか変えてやろうと、それだけを心に生きていた。


 なぜ俺はそんなふうにしか生きられないのか、そう言われたとしたら、最初から、しあわせなど知らないからだろう。それではあまりに不幸すぎると言われたら、それでいいんだと返事する。俺は、俺がする選択が、俺だけを不幸にするのであれば、一向に構わない。ただ、よく言われたのは、あなたのせいで皆まで不幸になる、そう言われてしまう。


 だから、俺はどんどん孤独を選んで進んだ。できるだけ、俺の巻き添いを減らしたい。俺は、一人だけで立ち向かう。自由、俺の全ての過去生の、苦しんできた人たちを自由にするために。


 俺は今回、運がいい。この環境は、これまでになかったほど、恵まれているんだ。だから、何とかできるかもしれない。


 もしもあの子が生きていれば、俺は何もかも、思い出すことができなかっただろう。それはとても皮肉なことだった。俺が、ここまでのショックを受けたから、全てを思い出すことができた。あの子の命と引き換えに。


 そんなものと、あの子の存在が、引き換えになるなど、俺は許せないと思った。でも今は、今できることをするしか、俺に選択肢は残されていなかった。


 俺は今でも、はっきりと思い出せる。


 絶望的な目で、愛する人を待ちながら、客を取る乾いた砂漠のような日々。何も感じない、まるですでに死んだ人のように、思考などなく体だけ存在して。


 もし母さんが、俺の書いた文を読んだら、きっと気狂いのように怒って、この原稿を破り捨てるに違いなかった。こんなデタラメ、どうやったら思いつけるの、と。


 きっと泣くに決まってる。俺は、だからこの話を誰にもしたことがない。Jさんは仕事で、情報を得るため、そういう女性たちの面倒を見ていた、と言った。


 「岬、奇遇だな。俺はまだ、その仕事をしているぞ。過去生だけじゃなく」


 Jさんはそう言った。俺とJさんが、出会った因縁がわかるだろう? 底辺の最下層に生まれてしまったら、普通に生きるということが、いかに難しいことか、俺はよく知ってるんだ。


 だからこんな無茶な浪費を繰り返して、俺はすっかり自分の人生をプラスマイナスにしたんだろう。俺も馬鹿だと思うが、金というのはあるところにはある、ないところには、絶望的にないんだ。その不公平な仕組みというものについて、俺は本当に身についたようによく知ってるから、ある時もない時も、無頓着なわけだ。


 金の奴隷になりたくない。


 そして今回は、何とかまともな大人の男として生き抜いて、全ての過去生、未来、パラレルに影響しないとダメなんだ。俺がどんなふうに生きるかで、全て連動している、俺の知っている悲惨な、可哀想な女性たちがどうなるのか、刻一刻と変わっていくから。


 できるだけ幸せになって欲しいと思う。希望を持って生きて欲しい。俺が連動している全ての存在の未来を変える。絶対に変えてみせるから。


 

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