第120話 やばい時、生きてる感じがする
ブルブル震えるくらいヤバイと思ったのは、震災以外だと、B、ヤられるんじゃね?まずいこと知ってたら、消される、と思った時だった。Bは、弁護士に相談に行く、と言って、弁護士に会ったとは思うけど、「はした金」で命落とすより、逃げるのが正解。なぜか退職金は弾んでくれていた良い会社。これって口止め料かな、というように。
いやあ、海外は怖いね。同時に、国をまたいで逃げちゃったら、追ってこれないからいいね。
Jさんが言ってたけど@G*でさえ、やっぱり国を出られたら追跡は諦めるんだってさ。何かあったら、速攻で逃げよう。それがやっぱり正解。
ヤクザな話は欧州の話だから、アジアだったらもっとすごいんじゃないか。俺は、ブラジルやメキシコに友人がいるが、こんなのとは比にならない具体的サバイバル、と聞いてる。
誘拐は当たり前だが、本当に有名な話、貴金属とか身につけてたら、それこそ、腕切り落とされてロレックス奪われるとか、それ、都市伝説じゃなかったの?
気をつけてたら大丈夫だよ、自宅にカメラもあるし、家から出る時は、常にガードマンと一緒だから。貴金属は身につけちゃダメだよ。アウトだよ、命落としたくないでしょ?
そんな国に住みたくねえな、と思ったが、貧富の差が激しいというのは、まあ、そういう危険と隣り合わせ。むしろ本当に持ってなかったら、気楽なんだとは思う。
女じゃなければな。女だと拉致られ、売り飛ばされる「体にそのものの価値」があるから危ねえ。
でも確かにこの国でも、靴下?カバン?洋服?ズボン?靴。
バラバラに明け方、道端に散乱してたら、そこで昨晩、何があったか怖いよな。ストリップ?
俺、結構そういう場面に遭遇しやすい。裏通り歩くからな。
Jさんがそういえば言ってたが、欧州の誘拐は……ああ、キリがないから、この国の誘拐事情については、また機会があれば書く。そうしよう。
まあ、アングラな世界にならざるを得ないのって、旅に生きようとすると、そうなるからであって、俺は今のところ、旅人じゃなくなった。そういう意味では安全だが、今度はテロがあるからな。同じ場所に住むのも実は危ないし。
気がつけば、アテナイが俺の雑談場になってきてしまった。俺ってほんとダメな人生来てるね。まあ、仕方ないね。最も花形で稼げてた時期が短すぎる。やっぱり、あんまり浮き沈みあるとダメだね、終わってるね。
映画みたいだな、と思うことはあった。追われた時とか、尾けられた時とか。
Bとは組んでも、安心感がない。やっぱりプロっぽい感覚でないと、こっちが影響受ける。Jさんと出会って、俺は、Jさんとなら、いざって時にどうやってアドレナリン・コントロールするか、習った気がする。
やっぱり闘わなきゃダメなんだよ。Jさん見てて、そう思った。俺は老兵でもうダメだよ、と言ったが、顔つきと言葉が合ってない。やっぱり男は、やられる前ににヤる。俺が好きな男というのは、全員そんなタイプで、Bもそうだと思うんだが、Bの場合いかんせん、実戦経験がなさすぎる。武道しろ、武道!
B、お前に必要なのは、武道だ!
俺もどこか、道場探そうかなあ。
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