第33話 Bの恋
Bは別にフツメンということなく、イケメンの部類に入ると思う。
俺が女なら、いまひとつ好みでないのは、(すまん、B ) Bがあまりにも、なんだろうな、影がある役柄が似合いそうなキャラだから。
俺とは全く違う。なんというか、Bの場合、主役でなく、悪役の当て馬役が似合うような、そういう冷たい系統の顔立ち。整っているんだけど、容赦なく敵を静かに撃ち殺すような仕事が似合いそうな感じ。
だから、まあなんというか、Bは俺のボディガードみたいに、俺たちって、結構合ってるっていうか、特に俺は、すごく恩恵を被ってた。Bといると、変な奴が寄ってこない、寄ってこれない。
そういう理由で、俺はBと出会ってから、すごくのびのびと自由を謳歌し、子供のように好き勝手に過ごし、Bに「ごめん、またやっちゃった」的に、後始末を頼むようなことが多かった。
Bは女に好きになられる時も、不思議なんだけど、大抵その女には本命がいた。最悪じゃね?
女に頼られる、Bはその女のことが好きで助ける、でも女はBの腕の中で他の男とうまくいかない、と涙を流す。Bは慰める、好きだと告白できないままに。
B……
なんか知らないけど、Bの恋愛はそういう不毛なものが多い。必ず2番にしかなれない。
なんでなんだろうな。
お前、本当にいいやつなのにな……なぜなんだろう。
そして、世話した女に裏切られる。Bのやつ、うっかり信用した部下の女に自分のポジションを奪われそうになったことがある。女は怖い。利用できるものはすべて利用しようとする。そして、自分の方が現場をよく知っていて、優秀だと仕事を任せたBを逆に今度は蹴落とそうとする。
Bは現場に出ない管理職の立場だから、まさか女性の部下に下剋上かけられるとは思ってもみない。
B、女を信用すんな、と俺があれだけ言ったのに……
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