まるで絵本のような、映画のような。とても美しいお話です。

下級貴族の少女がある日、行儀見習いとして世界の紡ぎ手でである魔女姫に仕えるお話。最近のファンタジーの主流からは外れているけれど、これだけは訴えさせてください。この作品は★３つでは全く足りません！

まず、文章が凄く綺麗！　一つ一つの描写が色鮮やかに咲き誇る花弁のようです。繊細で、キラキラしています。主人公の素朴さと、ハイランシアの美しさ。この差をこうも自然に表現出来るのが凄い。

加えて世界観が素敵です。貴族ではあるけれども、地位が低い主人公の立場や境遇。ハイランシアの成り立ちなど、もう脱帽です。ここまでしっかり作り込まれている作品は、カクヨムでも稀少なのではないでしょうか。

どちらかと言えば少女小説に分類されるかと思いますが、ぜひ大勢の方に読んで頂きたい名作です！