探偵 神門十夜 物怪奇譚
節目!ご紹介するご本も十冊目です。相変わらず高速で読むことはできないですが、全力で、書評させて頂きます。
ということで、ぴ~とるいじさま著「探偵 神門十夜 物怪奇譚」でございます。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881732753
【あらすじ】
怪異専門の探偵、神門十夜。いつから、誰がそう呼ぶようになったのか、なぜか彼のもとには訳ありの案件ばかりがやってくる。怪異が彼を好むのか、彼が怪異を求めるのか。豹変する人格、ありふれた窃盗、怪異を繰り返した先にある事件。幽霊や狐、狸、数多の物怪と協力しながら、十夜は奇妙な事件に挑む。
【魅力】
十夜と一緒に奇妙なあやかしの世界を散歩している、そんな気分になれます。もちろんそんな生易しいお話ではないのですが。めんどくさそうにしながらも、意外とフットワークの軽い十夜が行く先々が違う色をしているように見えて、怪異なのに鮮やかに見える世界、というのが不思議でなりません。相棒同然のオープンが過ぎる幽霊ユウナをはじめ、強烈な個性を持つあやかしたちも見逃せません。
【改善点】
台詞と地の文のすみわけは作者さまのこだわりと言うことですので、今回はセリフと行動についてお話をできればと思います。
何か喋るとき、その人はどのような様子で話しているのでしょうか。笑顔? 苦笑? 憤怒? あるいは能面のような無表情? いずれにせよ、何かしらの顔と何かしらのジェスチャーでもって会話をしているはずです。互いが棒立ちでセリフを喋るのは、大根役者のすることでしょう。
十夜は情報収集で得たものや己の推測、ユウナたちを弄って楽しむ様子は述べていますが、誰がどんな様子で話しているか、探偵であれば秀でているはずの「観察」の情報が足りないように思えます。気が動転して奥へすっこむ工場長や、おどおどした夜の華。そういった怪異たちは、十夜の目にはどう映っているのか? 彼の着眼点に触れると、彼の探偵としての技量はもちろん、会話も視覚的にイメージしやすくなると思います。
【その他】
作者さまの近況ノートも拝見しまして、非常に強い信念をお持ちの方だと感じました。カクヨムというコンテンツに私は深く入り浸っていないため、自主企画やpv、★評価の課題などは理解しきれていないのですが。
小説に対して、並々ならぬ思いを抱いているのだと思います。この作品のみならず、私は一読者として小説と向き合い、書評させて頂く。それが、すべての作者さまへの最大限の敬意であると信じ、進むのみです。
様々、思うことがございました。素敵な出会いに感謝を。私の書評は一読者の感想に過ぎませんが、作者さまに何か伝わるものがあれば何よりです。
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