第122話

「欲しがりません勝つまでは」物資の不足は全てに及び、以前来たご用聞きも来ず、魚屋へ行っても中々変えず、何かと交換でないと手に入らないという状況になってきた。又各地の米屋も統廃合となり配給所で供給となった。

母は味の素を帯広の丸上様のおばさんに頼んだりして、現在の様な赤い味の素の缶を大切に使用していた。

店の商品にはロープのような紐や、ズックの様な布や蚊帳の様ないたどり繊維、服、ズボン、ズック靴、ゲートルまで殆ど配給キップ制と成った。

でも北海道は主食米は不足でも芋や南京、とうきび等の代用食が多いので未だ幸いであった。

商品はもう問屋から仕入れる事は出来ず、商工会を通してなので何が配給されるのか、どれほどかかるのか全く分からない状況となり、だんだんと悪化の一途をたどる。

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