5
――――両肩を
大勢の見てる前でなんてことを口走ろうとするんだ、この女。
危うく
――――いや、違うか。
本来の「俺の作戦」は、今を
アルクスに
〝ビージ、チェニク、テインツ、ロハザー。もう一度、俺とケンカをして欲しい〟
順調に進んでいた俺達の作戦――――不仲を演じ、ケイ・アマセがプレジア内での居場所の無さに苦しんでいるように見せた上で、ココウェルが俺を完全に自分のモノにしようとするよう仕向ける。
そうして奴に近付きつつ、核心に迫る――襲撃者との関与がないかを聞き出す。
そんな作戦が丸一日、完全に
「き――急に大声出すなよっ。
「やり切りたいんだ、この劇を!」
……今のように待ち切れなくなったココウェルが、アルクスを
俺や
どちらか一つでも起こってしまえば計画どころか、襲撃者への
だが、ココウェルはこうしてここにいる。
俺の作戦はまだ生きている、だから――ココウェルはともかく、パールゥやアヤメの疑念を
――加えて、もう一つ。
「そしてココウェル、もう一つ頼みがある――この劇を、もう一度観てくれないか?」
「は――――ハァ???」
……心底嫌そうな顔をするココウェル。
やはりというか、劇とかには興味のないタイプか。
だが、どうあっても見てもらわなければならない。
ここは――
「ココウェル、実はな」
「うっ……ちょ、急に顔近付けんな――」
――パールゥが実力行使に出るより前に、ココウェルへの耳打ちを終わらせる。
「へぇ~。そっかそっか。ふぅ~ん? そういうことならまあ、観たげよっかなぁ」
「……ありがとう。楽しみにしててくれ」
「ちょ――ちょっとケイ君、何言ったの今!?」
「気にするな、大したことじゃない。じゃあココウェル、頼んだぞ」
「ハン、わたしの騎士の頼みなら仕方無いわァ。せいぜいわたしをがっかりさせないでよね!」
機嫌よさげに手を振ってくるココウェル。
どうやら上手くいったようだ。
これで、
「ケイ君! 何話してたのってば!!」
「パールゥ。リリスティアを見てないか?」
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