11
「うん。だから、みんな来て」
「え、みんな?」
「ううん、マリスタは違う。オーダーガード君、バディルオン君、セイントーン君、ロハザー。風紀のみんな、一緒に来て」
「だ、だから理由を――」
「――おし。解った」
「は、ハイエイト
「いいから来いってお前らも。――
「……一つだけ言わせて、ヴィエルナちゃん」
ヴィエルナが振り返り、マリスタの目を見る。
そんな静かで
だから、彼女も――――
「ヤバくなったらすぐ逃げて。あなたまで倒れたりしたら、許さないから」
「……それ、こっちの台詞。私、マリスタの笑顔だって守りたいんだから、ね?」
「――――私だって!!!」
周囲の者が揃って耳を
開けた目で、にこやかにマリスタへと笑いかけた。
「――行こう、みんな」
「お、おう……」
(ぼ……ぼく初めて見たかもしんない。キースさんがあんなにはっきり笑うとこ)
(おめーもかチェニク……俺もだ)
(ロハザーが動揺してるくらいだ、相当
「早く!」
『はいっ!』
ヴィエルナに続き、いそいそと出ていく
マリスタが残されたナタリーを見ると、彼女はため息を
「……動きますか。
「シャノリア先生たちの所。ナタリーは?」
「……もう少し考えます。マリスタは一人で出てください」
「うん。――やられないでよ?」
「私の周囲には
「なにそれこっわ」
「いいから行きなさい。進展があり次第報告します」
「おっけ! いってくる!! 協力してくれてありがとね、ナタリー!」
「はいはい」
ガチャバタン、と慌ただしく出ていくマリスタ。
ナタリーは少し歩き、ソファの上にぼすんとうつ伏せに倒れ込んだ。
クッションに顔をうずめながら、小さく目を開く。
「…………
◆ ◆
「おいヴィエルナ、どこまで行くんだよ」
「風紀委員室」
「な、なんでンなとこまで」
「みんなに、連絡して。風紀委員全員、すぐ集まるように、って」
「あ――ああ? 全員っ?」
「構わないけど……理由が分からなきゃ招集もかけにくいよ」
「テインツの言う通りだぜ、キースよ。あんた一体――」
「学長に、正しい手段で物申す、なら。立場ある人の、承認。絶対、必要になる、から。不登校気味、生徒会長だけじゃ、足らないと思う、から」
「……立場ある人の、」
「承認?」
「それに、」
人気のない廊下で立ち止まり、ヴィエルナが振り返る。
「変わらなきゃ、いけないと思う。私達、風紀委員会も。いつまでも、」
〝そりゃ風紀委員長の席も決めきれなくて空きっぱなしなわけだ。こんな人たちしかいないんだもんね〟
「いつまでも、
「……ヴィエルナ、お前……何考えてる?」
「……決めよう、風紀委員長。プレジアを変えられる、強い意志を持ったリーダーを」
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