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「え……いや悪いとかでなくその……そう、そうです、感謝すべきは貴女であって私ではない。そういう意味です」
「? 助けてくれたみんなに感謝じゃん、そんなの」
「いや、だからその……ええいっ。その『みんな』が居ない状況でこんな
「?……まあでもそうね、うんわかった。それで、当面の問題ってのは……」
マリスタが
ナタリーがうなずいた。
「ええ、貴女も思い至っているであろう
「……とりあえずは、相談してみるつもり。あのメンバーに」
◆ ◆
「……で、また俺達をここに呼んだってワケかよ」
「いやおかしいからねみんな。アマセの居ない状況でアマセの部屋に入ってるこの状況おかしいからね」
「二回も言わなくても解ってますから。そんなこと言ってられる状況ではないと言ったでしょう弱小貴族オボッチャマ」
「ッ君ねェ――」
「オーダーガード君っ、ナタリー!! ケンカしてる場合じゃないのッ! なんでもいいからとにかく話を聞いてっ」
マリスタが張り上げた声に、ひとまず従う面々。
しかし、状況は以前とは一変。
切迫した状況は、少年少女たちにも明らかな変調をもたらしていた。
「……状況はこう。昨日のデモがなんとか上手く交渉に結びついて、学祭は最終日になった。なぜか襲撃者も昨日は出てこなかったから、アルクスも動くに動けなくて、何事もなく過ぎていった。でも襲撃者の
「その通りだ。んで、打開策を思いついたってことなのか? マリスタ、あんたは」
ロハザーが
マリスタは大きくうなずき、そして大きく首を横に振った。
「…………あ??」
「上手くいけば、きっと襲撃者を全員捕まえられる。でも……肝心の中身はまださっぱりなの。その前提の上で、聞いて。みんなの知恵を貸して欲しい」
「……なるほど」
「いや、だがそれよ……穴が多すぎねぇか、アルテアス」
「うん。それを、どうやって埋めるかにも知恵を貸して欲しいの、バディルオン君」
「つったって……」
「でも、いいと思う。現状、最善の案」
「だね。実際僕らは、対案だってあげられないんだし。君の話に乗るよ」
「テインツ
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