31
――
それを感じた時には、一度目の
ゼタンに弾き飛ばされ、床を転がるクローネ。
神が生まれ持つ、文字通りの
「…………」
剣を支えに起き上がるクローネ。
薄ら笑いを浮かべ、その様子を見守るゼタン。
「そうら。火山が
「そうかな。俺にはお前を呼んでいるようにしか聞こえない」
台詞を
静かな青い目が、静かに落胆を語った。気がした。
剣を握る手に感じた
その感覚を覚えている――あれは、ギリートが俺の握る剣をへし折ったときと同じもの。
何のつもりだ、ギリート。
ここまできて、芝居をメチャクチャにするつもりか――――
――
時間にしてほんの
〝今の力の最大限、君の
ギリートはあのとき、そう言った。
だが俺はまだ呪いに
今、あいつの求めに応じることは出来ない。
最優先にすべきことは――――
「おおっ!!」
二度目の
クローネの気合と共に、ゼタンの剣と打ち鳴らされた
「!」
魔剣の
「――ああっ!!」
黒騎士が
客席へと吹き飛び、倒れたゼタンが体を起こす。
「――それが最強と名高き黒騎士の剣か。さてどう攻略したものかな」
「それだよ」
「何?」
「今気付いた。お前にとってこの戦いは
「一度言ったことを再度確認するな。何のつもりなのだ」
「……俺はそれが、お前達と俺達との可能性だと思う」
「……可能性?」
ゼタンの剣が
肩の傷は一瞬煙のように
「お前も俺も、堕落した存在であるなら。もう俺達を
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