第34話 動き出す大魔法祭
1
とりどりの光が、薄暗い空を華やかに行き交う。
プレジア魔法魔術学校第二層、生活区画。
普段から学生の声の絶えない賑やかな通りだが、プレジア大魔法祭の数日間はそれに輪をかけた騒がしさとなり、
そんな
「当人とその家族までしか入れないとはいえ……今まで一体どこに居たんだ、ってくらいの人の多さだな。だからこそやりがいはあるんだけど。全くあいつは」
はぁ、と大きなため息を吐くテインツ。
その
テインツの持ち場が
「
そうして、テインツがおもむろに戻した視線の先に、
「……ん?」
彼女がちょこんと座る
第二層の端。
熱気からわずかに遠ざかる
何冊かに分けて
その少女を、テインツはよく見知っていた。
「ここ、君の店なのか?」
「ッッッ?!!!??!!!」
「うわっ?!」
ゴトトトゴトリ、と。
少女――シータ・メルディネスは、
「な……なんだよビックリするなぁ。そんなに驚くことないだろう」
「あッ、あッ……アンタッ、」
「? 僕だよ、テインツ。テインツ・オーダーガード。顔食らい覚えてくれよ、一緒に劇作ってるだろ」
「そっ、そそそそのくらい分かってるわよ失礼な男だわね!」
「し、失礼まで言うことないだろ。ていうか、なんでそんなに動揺してるのさ君は」
「い、いやそれはっ」
「――――まさか、君。ここって」
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