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「ここにいる奴らだけじゃねぇ、プレジア全体が
「後……ですか?」
「…………」
「ティアルバーが勝てば貴族の勝利。
「そんな――こと」
「……無いとは言えねぇ。先生の言う通りだ」
「だがよ、だからといってアマセが勝っても――状況は変わらねぇ」
「!」
「そうだろ? 逆になるだけだ。『平民』と呼ばれた奴らは
「…………!」
「……で、先生たちはどうするつもりなんです?」
「……………………」
〝彼らが、そしてあなた達がどう考え、どう動くのか……私は、大いなる期待を持って見守り、支え、そして私自身も考えていくつもりです〟
(……つまりは現状を
ファレンガスが、ばつが悪そうに頭をかく。
「……心配すんな。止めてやるさ、命に代えてもな……貴族だろうが『平民』だろうが、教え子守れねぇで教師もクソも
「…………先生」
「……そんときは言ってください。俺も手伝いますから」
「ったりめーだボケ、わざわざ言わすなこっ
(なんでも………………よくないですよ、先生)
マリスタが映像を見上げる。
心なしか映像が捉える会場は、第二ブロックが多めだ。
(みんなが。ホントにみんなが、注目してる)
――少女の
すべての目が注がれる、ごまかしようのない場所。
すべてがフラットに、そして
勝負が始まる場所。
勝ちか負けでしか、出ることの出来ない場所。
(……ケイ。あなたは今、どんな気持ちでいるの?)
マリスタが無意識に両手を
引き結んだ口に力がこもる。
壇上に登るクリクターが、映像へ現れた。
「お……」
「……いよいよか」
(……勝って……)
マリスタは、
そしてパールゥは、
(…………ううん。
ただ、祈った。
◆ ◆
各ブロックの決勝戦を戦う
全員
しかしそれは
原因は考えるまでも無く、俺と
並び立つ
隣に立っている男子が、
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