10
屈んだ姿勢から完全に立ち上がってもいないナイセストの姿が
音も無い無動作の
「危ないッッ!!!」
マリスタが叫ぶ。ヴィエルナは振り返れない。
果たせるかな、空中でガラ空きの背を見せた灰色はそのまま白のひと
ヴィエルナが、
「ッ!!!?」
圭が目を
トルトが
「うお……空気
「
ヴィエルナが
「?!??!??」
「え、え、え――――」
ナイセストも、飛んだ。
エリダとマリスタがひたすらに眼球を動かす。
上へ飛んだナイセストからの一撃を
「…………!、?」
「んんー?? どうなってんの? キースさんもティアルバー君も消えたよ??」
まるでそこに地があるかのように乱れ飛ぶ灰と白。
画面越しの少女達には、目で追うことすら
(――――なんてこった)
「んぎゃぁっ!!?」
「し、シータっ!?」
システィーナは、眼前の
同様の音が、障壁のいたるところで鳴り響く。
それが障壁を足場に
観覧席から悲鳴が上がる。
「……押し切れ。もうそのまま押し切れ、ヴィエルナッ……!!」
ロハザーが
スペース中央の
空気を引き裂く速度で
ナイセストが拳のぶつかる
立て直す間を与えず、ヴィエルナの拳が迫る。
改めて。
(……やっぱり俺は、あいつに勝ててなどいなかった)
圭は改めて、これまでずっとヴィエルナ・キースという少女に
(……だがどういうことだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます