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声。
友人に体を支えられたマリスタが、
何人かいなくなっているが――恐らく、ナイセストの
『さっそく第一試合を始める。ケイ・アマセ、そしてロハザー・ハイエイト。スペースに入って位置に付け』
トルトの声。
俺を差し置き、真っ先に
どうしてお前がそう
「……
「やはり勉強が足らないな。氷は
「……雷は、当たったときの衝撃がものすごいよ。感じたことない痛みが体中をかきまわすから。だから無――」
「
「……えっと。あと、」
マリスタが下を向き、必死に言葉を探している。俺を引き留めるための言葉を。決して、俺を応援しに来た訳じゃない。
それが解っているからこそ、マリスタを支えているエリダも、周りにいるシスティーナやシータも黙っているのだろう。全員気持ちは同じなようだ。
怖い気持ちは理解出来過ぎている。
本来なら付き合い必要のないこんな問答に応じてしまう辺り、俺の中にもロハザーとの一戦を避けたいという気持ちがあるのだろう。
「もう呼ばれてるんだ。マリスタ」
だから、断ち切って行かなければ。
「行ってくる」
「――――……」
――直後、「行ってくる」などと言わなければよかったと、少し後悔した。
戦地に
そんな
「死なないでよ。絶対生きて帰って。ケイ」
ご
だがお
この場は俺にとって、試合会場ではなく戦場なのだと。
死は常に
マリスタの言葉を、誰も笑わない。
あの
その深い瞳は、俺の中にどうにか、恐怖の
〝まるで人を養分とする
「…………」
……お前の目には、俺はまだ寄生虫のように映っているか。
スペース入り口へ、目を向ける。
改めて、呼吸を整える。
行こう。
◆ ◆
「ヴィエルナ!」
ロハザー・ハイエイトは、スペース出入り口で
ヴィエルナは試合直後であるにもかかわらず平静そのもので、ロハザーの
ロハザーはいよいよ顔を険しくした。
「……タイミングが遅いんじゃねぇか?
「棄権?」
「……『今の今まで考えてもいませんでした』って顔だな」
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