春~心療内科にたどり着くまで
新学期幕開け
高校の入学準備をしながら、自分の仕事の整理をして、新生活に備えました。
4月からは今までとは全く違うタイムスケジュールで動かなければなりません。
朝は勿論、夕方仕事が終わってからの時間の使い方もまるで変わってきます。通勤時間は10分程度しか変わらないのですが、余裕を持って通勤しなければ交通事故の確率が上がります。今までよりも20~30分程度前倒しして動くようにしなければならないのです。
緊張しながら迎える新生活。そこには不安しかありませんでした。
2017年4月3日月曜日、初出勤。
知っている顔、初めての顔にそれぞれ迎えられます。仕事内容は一緒ですが、雰囲気は全然違いました。3月まで勤めていた店舗よりずっと大きな店舗へと転勤したため、久々の大人数に面食らいました。配属された部署は私と大体同じくらいの年齢の人が多く、皆優しく安心しました。その中に、地域営業トップの方が居て、この人が数字を引っ張っているのかと圧倒されたことを覚えています。
仕事はしばらくの間、定時で終わりました。
終了後は、学童、幼稚園、保育園の順に迎えに行き、家に着くときには、職場を出てから一時間近く経過しています。それから諸々洗濯物や提出物を出させたり、ご飯の準備をしたり、風呂掃除させたりと、バタバタと一日が過ぎてゆきます。
未だ春休みのうちは良いのですが、問題は新学期が始まってからです。
始業式、入学式はどうにか次女も学校に行ったようなのですが、振替休日を挟んで4月11日火曜日には早速学校を休みました。
担任も替わり、クラスも好きな友達と一緒だと話していた矢先でした。
体調が芳しくなく、横になっている時間が徐々に増えてきました。
「1年の時は仲の良い友達と離れたけど、2年でやっと好きな友達がいっぱいいるクラスになったのに」
悔しい、でも、どうにもならない。
体調はどんどん悪くなり、翌週は月曜日に遅れて学校に行ったっきり、残りは全部休みました。
こうなってくると、学校でもだんだん心配し始めます。
「少しでも登校できたら」
毎朝、休みの連絡を入れる度に同じようなことを言われたのですが、それが出来たらどんなにいいか。
そもそも、今までより通勤時間が早まったため、朝遅刻せずに次女を学校まで送り届けること自体、不可能になってしまったのです。日中家には大人がいませんし、実家に頼ろうとしても、農作業と介護でいっぱいいっぱいです。本人にやる気を出して歩いて行けという以外、この時点では全く方法がなかったのでした。
日曜日の授業参観も休みました。参観は午後からでしたが、全く起きられず、頭痛と腹痛と闘っていたようです。
この頃になると、体調不良の原因は起立性調節障害だけではないのではないかと、小児科でも疑い始めました。過ごしやすい季節になってきたのだから、回復しても良いのではと。
「気圧が低いと、具合が悪くなるようなんですよ」
なんとなくそんな気がして、小児科医に話したところ、
「そういう人もいることはいると思いますが、それが原因とも言い切れません」
突っぱねたような回答でした。
実際、天気の悪い日、崩れた日は特に具合が悪そうでしたから、なんとなくそんな気がしたんですが、このときはまるで問題視されませんでした。
「具合が悪くなった前後に何かありませんでしたか?」
との問いに、
「先月通っている中学校で生徒の自死があったので、影響を受ける生徒もいるかもとは言われました」
「じゃ、それかな」
「いえ、その子とウチの子は殆ど接触なかったので。小学校の頃から付き合っていた彼氏と別れたのも、去年の夏くらいだし、後はコレといって思い当たることが……」
「心療内科に行ってみるのも良いかもしれないね。何か引っかかることがあったら、それが原因で具合が悪くなることもあるし。カウンセリング受けられる医院もあるからね」
「心療内科、ですか……」
言われても、直ぐに行こうとは思いませんでした。
あまり、心療内科に対して良いイメージがなかったからです。
『マンガで分かる心療内科(https://yucl.net/manga)』は知っていましたし、コミックスも何冊か持っていました。読んでいる起立性調節障害の本にも、心理療法も治療方法のひとつと確かに書いてありました。
“学校を休みがち”な状態から、“学校に行けない”状態になりつつあるのは、なんとなくわかっていました。しかし、なかなか踏ん切りはつかないものでした。
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