第117話 神・フォアグラの復活

 王都球場で行われているBブロック三回戦第一試合、烈弩哀図VSパラダイスは烈弩哀図が完勝。二勝一敗となり、ショート同盟と同じく第二試合の結果次第では決勝トーナメント出場に希望が持てるようになった。

 そして始まる第二試合、ウルトラセクシーVS余りものⅠ。ウルトラセクシーはまたも例のパフォーマンスで会場を盛り上げ、幸次郎を赤面させた。

 試合形式は二対二。ウルトラセクシーからはこれまで出場の機会が無かった湯乃花雫と、チーム最強の古竜恋々愛が出場する。

(よし、頑張れ恋々愛さん)

 幸次郎は拳を握り、心の中で応援。恋々愛は幸次郎の視線に気付いたのか、にっこり微笑んで手を振ってきた。

「あ、恋々愛ちゃんが笑った。珍しいー。もしかして好きな人でも見に来てた?」

「うん、来てた……」

 恋々愛は両頬に手を当て、うっとりしながら頬を染める。

「わぁー、これはいいとこ見せないとねー」

 雫に煽られて、恋々愛は二回頷いた。

 対するチーム・余りものⅠは、チーム結成の際にあぶれた魔法少女の寄せ集めチーム。そういうわけでここまで二連敗中であり、二連勝中のウルトラセクシーならば余裕で勝てると予想する者は多かった。

 だが事前の作戦会議にて、ウルトラセクシーのリーダー黄金珠子は余りものⅠを油断のできない相手だと分析していた。

「やはり今回出場してきたのはあの二人ですわね……」

 余りものⅠから出場するのは、これまで一度も出場していなかった秘密兵器山田やまだスミレと、チームとしては二連敗だが個人成績としては一回戦二回戦とも勝利している上条かみじょう沙耶さや

「ヒャハハハハッ! 全員オレがバラバラにしてやるぜ!」

 スミレは真紅のロングヘアで、黒ビキニの上から黒コートを羽織った衣装。下品な笑い声を上げながら赤いナイフを舐めるその姿を見れば、彼女が誰とも組めずにあぶれたのにも納得がいくだろう。

 ちなみに彼女は水瓶座。つまり担当はカクテルである。猟奇趣味同士気が合ったのだが、所詮彼女は単なる中二病のファッション猟奇キャラ。本物であるカクテルからしてみれば物足りないものであった。いつしかカクテルからは興味を持たれなくなり、放置されていたのである。

「ヒャッハーするのは構わないけど、私の足だけは引っ張らないでよね」

 沙耶は銀色のショートヘアで、レトロフューチャーな銀色の全身タイツを纏い光線銃を手にしている。

 四人の魔法少女がステージ上で相対したところで、試合開始が告げられた。早速沙耶は光線銃で恋々愛を狙い撃つ。防御をする間もなくビームを受けた恋々愛は吹っ飛び、結界に叩きつけられる。

「恋々愛ちゃん!」

 雫が振り向いたのも束の間、ナイフを手にしたスミレが飛びかかる。

「ヒャハハッ!」

 ナイフから赤い閃光を迸らせ切りつけるスミレだったが、突如足下から沸き出した温泉に突き上げられ空高く吹き飛んだ。

「ン何ィ!?」

 空中のスミレを大量の熱湯が包み込む。

「ぐえーっ!?」

 ナイフを振り回しもがき苦しむも、熱湯の中から脱出できず。スミレはあえなく変身解除させられた。

 一方の沙耶は、恋々愛にビームを撃ちまくっていた。連射可能の大火力。何も考えなくても撃っているだけで大体の敵は倒せる。これで沙耶は幾多の魔法少女に勝利してきた。

 だが、撃ったビームは全て結界に当たり無力化された。恋々愛の姿は無い。

(えっ? どこに――)

 背後に気配を感じ振り返ると、恋々愛の手が沙耶の腕を掴んだ。気付いた時、沙耶は空中にぶん投げられていた。慌てて地上の恋々愛目掛けてビームを撃つが、既にそこに恋々愛の姿は無い。

 再び恋々愛が姿を現したのは、沙耶の更に上であった。頭上の影に気がつき振り返ったのも束の間、一直線に振り下ろされた斧に沙耶は叩き落されていた。

 落下の衝撃で大きくHPを削られた沙耶に、更なる追撃として空中から斧が落ちてくる。間一髪で避けたところで沙耶の眼前にあったものは、殆ど丸出しな褐色の尻であった。

 大きな尻に顔面を押し潰されて後頭部をステージに打ち付けた沙耶は、あえなく変身解除。

「決まりました! 勝者は――湯乃花雫&古竜恋々愛! チーム・ウルトラセクシー、決勝トーナメント進出です!!」

 ウルトラセクシーファン達の熱い声援が、王都球場に響き渡った。

「上条選手は注目の実力者でありましたが、古竜選手には一歩及びませんでした。蓋を開けてみればウルトラセクシーの圧勝に終わりましたね」

 カクテルの我儘により担当の会場を入れ替えられたザルソバであるが、変わらぬ調子で解説。

 決勝トーナメントへの道を絶たれた烈弩哀図のリーダー竜崎大名は、にも関わらずどこか爽やかな表情をしていた。

「流石はうちらに勝ったチームや。素直に賞賛したるで」

 恋々愛の危なげない勝利に、幸次郎も拍手で称える。

(おめでとう恋々愛さん。決勝トーナメントも応援に行くよ)

 隣に座るデスサイズはスマートフォンを取り出し、魔法少女バトルアプリを立ち上げる。

(幸次郎の想い人は無事本戦突破したようだが……)

 スマホの画面に映るのは、もう一方の会場での試合結果。ヴァンパイアロードの勝ち抜けと、ショート同盟の敗退であった。

(拳凰は今日、試合観戦には行かず修行に専念すると言っていたが、果たして戻ってきてこの結果を見たらどう思うだろうな)



 王立競技場では、Dブロックの試合が行われていた。一回戦を戦うのは、チーム・幼馴染VSチーム・余りものⅡ。対戦ルールは二点先取である。

 チーム・幼馴染は先鋒戦で婦警の衣装を着た久世悠里が負け、中堅戦でウェイトレス衣装を着た向井舞が勝利。大将戦を戦うのはエキゾチックなベリーダンサー風の衣装を着た天城沙希である。

 彼女は背丈こそ花梨より若干下というくらいの低身長だが、胸は非常に豊か。その上露出度の高いビキニ状の衣装を着ていることもあって、非常に目を引く容姿をしている。王都オリンポスのホビーショップで彼女のフィギュアが売られていたことからして解る通り、妖精界の民の間でも人気の高い魔法少女であった。

「清美、悠里、舞、ここはあたしに任せて! ここで絶対勝って、決勝トーナメント出場を決めてみせるから!」

 とは言ったもののチーム・幼馴染はここで勝ったところで二勝一敗。次のハリケーンVS最強無敵絶対優勝で勝った方と更にもう一回決戦試合を行い勝利しなければ、決勝トーナメントへは進めない。

「ハリケーンには一回勝ってるから攻略法は掴めてるけど、最強無敵絶対優勝へのリベンジもしたいところだよね」

「その前にまずはこの試合勝たないと」

 既に勝った気でいる舞に、悠里が注意した。

「沙希ー! 気合入れてけー!」

 清美の声援を受け、沙希は笑顔で手を振る。

 対戦相手のチーム・余りものⅡからは、ドラゴンを模した緑の鎧を纏う魔法少女、滝沢たきざわりつが出場。

「あたいらを余りもの寄せ集めチームだと思ってたら大間違いだよ」

 事実、彼女達は余りものⅠと違って一勝を挙げており、その相手は幼馴染に勝利している最強無敵絶対優勝。少なくとも弱いチームではない。

「それでは……試合開始!」

 試合開始が告げられると、沙希は両手に一つずつ持った円月輪を投げる。律は青龍刀を振り回し円月輪を弾き返すが、魔法によって自在に操作された円月輪は一度弾かれたくらいで勢いは落ちない。


「Dブロック、どのチームも一勝一敗でどのチームが勝ち上がるか全く読めないね」

 魔法少女用の観戦席で、夏樹が芽衣に話しかけた。

 敗退したAブロックの魔法少女達であるが、本戦閉会式までは人間界に帰されることはなくその後の試合を観戦することとなっていた。

 共に敗退が決まった悠木姉妹は、二人並んでこの試合を観ていた。

「ごめんなさい。私が負けてしまったせいで、貴方達の決勝トーナメントへの道も閉ざすことになってしまった」

「姉ちゃんのせいじゃないよ!」

 大変申し訳なさそうにする歳三を見て、小梅はこちらが逆に申し訳なく感じてきた。

「あたし達はベストを尽くしたんだ、悔いは無いよ。姉ちゃんだってそうでしょ?」

「ええ……貴方達との対戦も、ヴァンパイアロードとの対戦も、勿論ラブリープリンセスとも……全てベストを尽くし戦い抜いた。私もこの大会に悔いは無い」

 この大会を通して心を通い合わせた姉妹。人間界に戻ってからも、きっと上手くやっていける。二人はそんな予感がしたのである。


 二つの円月輪に振り回され劣勢の律は、奥の手に出た。

「あたいにこいつを使わせた以上は、もうあんたの勝ちは無くなったよ!」

 青龍刀の刃先を沙希に向け、律は宣言。律の全身が赤く発光し、高熱を放ち始めた。

「ドラゴンスクリューファイヤー!」

 上段に構えた青龍刀をプロペラのように回転させた後、その勢いのまま振り下ろし高熱を纏った斬撃を飛ばす。

 だが沙希はその軌道を冷静に見極め、胸を揺らしながら軽やかなステップで回避した。

「なっ!?」

「このくらい余裕で避けられるよ!」

 沙希は円月輪を飛ばして追撃をかけるが、熱のバリアに阻まれる。

「そんな武器じゃ、あたいの守りは突破できないよ!」

「むむ……確かにこれは厄介かも」

 沙希の魔法は円月輪を操るのみであり、梓の矢のように円月輪に特殊な能力を付与したりはできない。円月輪自体が効かない防壁が相手となれば、突破するのは容易ではない。

「だったらこういうので!」

 妙案を思いついた沙希は、円月輪を扇風機のように高速で回転させる。

「何のつもりか知らないが、今のあたいは無敵だ!」

 再び発射された高熱を纏った斬撃を華麗に回避しつつも、沙希は円月輪で風を送り続ける。

「そろそろかな?」

 頃合を見計らい、沙希は風を送っていた円月輪を再び律に向けて飛ばした。

「何度やっても無駄だよ!」

 そう豪語する律。だが迫る円月輪は、熱のバリアを切り裂き律本体にダメージを与えた。

「何!?」

 まさか破られるなどとは思わず動揺する律。風によって熱が冷まされ、熱のバリアが弱体化したのである。

 円月輪の連撃で何度も切りつけられあえなく変身解除させられた律は、バリアの中でぺたんと尻餅をついていた。

「勝者、天城沙希! そしてこの試合――チーム・幼馴染の勝利!!」

「やったよみんなー!」

 沙希は両腕を上げて万歳。勝利の喜びをチームメイトに伝えた。

「いかがですかカクテルさん。見事な機転による勝利でしたね」

「ええ、はい、そうですね」

 雑な返事をするカクテルの、心底どうでもよさそうな表情。彼と組んで実況をするのは今日が初めてのタコワサは酷く戸惑っていた。

(本当何が面白いんでしょうねえ血の一滴も出ないバトルを見て。きっと陛下も退屈されていることでしょう。ここは一つ、私が梃入れでもしてみますか)


 勝利を喜ぶ幼馴染四人組。と、その時、カクテルのアナウンスが入った。

「せっかくなので天城さん、ここは再びステージに上がりファンの皆様に得意のダンスを披露してみては如何でしょう」

 突然の提案に沙希は首を傾げる。

「んー……麗子ちゃんの歌の後だと見劣りしちゃうだろうけど……ここはファンサービスしちゃおっかな」

 照れながらも嬉しそうにステージに上がった沙希は、ステージの中央で一礼すると早速得意のベリーダンスを披露し始める。艶かしく踊る彼女の姿に、観客達の目は釘付けとなった。幼馴染の三人も声援を送る。

 が、その時。突如ステージ上に魔法陣が現れた。

「え? 何?」

 これまでの試合では見たこともない出来事に、その場にいた者達は困惑。

 魔法陣の中から、人影が現れる。魔法少女の多くは、この男のことを知らないだろう。だが観客の妖精達に、この男を知らぬ者はいない。

 阿鼻叫喚に包まれた会場に、魔法少女達は尚更困惑した。

「素晴らしい……これだけの観客……ゴッド・フォアグラの復活祭を彩るに相応しい」

 低く良く通る声で、男は言った。

 ゆるやかなウェーブのかかった緑色の髪に、すらっと高い背丈。整った顔には喜びと憎しみの入り混じったような笑みを浮かべ、全身から不気味に漂わせる魔力が空気を震わせる。

 元妖精騎士にして、王国を震撼させたテロリスト。フォアグラ教団の教祖フォアグラが、魔法少女バトルのステージに召喚されたのである。

(わぁー……素敵なおじ様)

 実はおじさん好きの沙希からしてみれば、この男は物凄く魅力的に見えた。歓声が悲鳴に変わったことに気付かず、彼女はステージ上で踊り続ける。


「あの人……フォアグラさん!?」

 魔法少女用の観戦席でただ一人その名を口にしたのは、前回大会でフォアグラと面識のある麗羅。

 彼女の知るフォアグラは騎士団の中で最も国民から人気があり、誰からも慕われる人格者であった。それがテロリストに堕ちたなど、未だ信じ難い思いがあったのである。

 だがあの頃の穏やかな笑みとは一転して邪心に満ちた顔をする彼の姿と、この会場の観客達の恐れ慄きようを見れば、それが真実であると嫌でも理解させられた。

 ステージの中が、少しずつ白い煙に包まれてゆく。

(え? 何?)

 だんだんと沙希も、この状況の異変に気付き始めた。

「さあ、私を崇めよ。このゴッド・フォアグラを!」

 フォアグラは両手を天に掲げる。周囲で空気が渦巻き始めた。

「総員、魔法少女を守れ!」

 そう言うとムニエルは剣を抜き、その場から瞬時に姿を消す。それと同時に本日王立競技場のシステムルームに待機していた残り四人の騎士も姿を消した。

 渦巻く空気から無数の空気の刃が撃ち出される。その一つはステージ上の沙希へ。残りがステージの結界を容易く突き破って向かう先は、先程までステージ上で熱戦を繰り広げていた両チームの魔法少女。否、それだけではない。次の試合のため両チームの後ろで待っていたチーム・ハリケーンとチーム・最強無敵絶対優勝の魔法少女達にまで、その凶刃が飛来する。

 ムニエルは瞬時にステージ上の沙希を抱えてエアブレードを回避すると、チーム・幼馴染の三人の前に立ちはだかった。ハンバーグ、ホーレンソー、ミソシルも残りの各三チームの前に立ちはだかり、エアブレードから魔法少女を庇う。ハンバーグは僅かな溜めで放ったデス・アンド・デスキャノン、ホーレンソーは三本同時に番えた光の矢でエアブレードを相殺。ミソシルは槍、ムニエルは二本の剣で直接エアブレードを打ち破った。

「みんな俺の指示に従って早く避難するカニ!」

 カニミソは魔法少女用観戦席に現れ、Aブロックの魔法少女達の避難を促す。

 そこで智恵理は、思わずカニミソに駆け寄った。

「カニミソ、ケガはもういいの?」

「妖精界の治癒魔法を舐めないで欲しいカニ。もうピンピンしてるカニ。それより早く避難を」

 智恵理の問いに答えた後、一旦ステージの方を見る。カニミソの目が、ぎょっと見開いた。

「な……どういうことカニ!?」

 その驚きは、魔法少女達を庇った四人の騎士も同様に感じていた。

「これは一体どうなっているというのだ!」

 自分達の背後にいたはずの魔法少女達が、揃って忽然と消えているのだ。

「フォアグラの仕業か!? 一体どうやって!?」

 綺麗さっぱり、どこへともなく消えた十六人の魔法少女。騎士達の額を冷汗が伝った。

「二発目が来るカニ!」

 再びフォアグラの周囲で空気が渦を巻き、今度は騎士達目掛けてエアブレードが射出。四人の騎士は先程と同じようにして防ぐ。

「カニミソ! そっちにも行ったぞ!」

 ホーレンソーが叫ぶ。戦闘能力の低さ故に避難誘導係を選んだカニミソ。その後ろには、Aブロックの魔法少女達。

(俺の実力では皆みたいにフォアグラの攻撃を無力化できないカニ! どうせ一度は死に損なった身、俺の命と引き換えにしてでも魔法少女達を守れれば……)

 飛来するエアブレードをその身を以って受け止めようと構えるカニミソ。

 その時――花梨だけが後ろを振り返った。

 一つの影が目にも留まらぬ速さで駆け、カニミソの前に立ちはだかった。突然の出来事を前に何が起こったのかもわからぬカニミソの眼前で、呻る拳がエアブレードをぶん殴ってかき消す。

 金色の短髪に、広い背中。振り返った緑の瞳は、闘志に満ちた輝きを放つ。ボロボロの胴着は、彼がとてつもない修行をしてきたことを窺わせる。あらゆるものを切り裂く空気の刃と真正面からぶつかった生身の拳には、かすり傷一つ付いていなかった。

「ケン兄!」

 花梨が歓喜のあまり叫んだ。

「おうチビ助。無事でよかったぜ」

 拳凰は花梨に顔を向け、不敵に微笑んだ。

「最強寺拳凰、お前……」

「カニホスト、チビ助達を頼む」

「わ、わかったカニ」

 カニミソは急に怖気づいた様子だった。だがそれは決して、死の恐怖から逃れて緊張が解けたからではない。むしろより強い緊張感への恐れからなるものだ。

 自分と戦った時とは別人のように膨れ上がった力を全身から放つ拳凰に、思わず気圧されてしまったのである。

(最強寺拳凰、一体どんな修行を……)

 拳凰の見据える先のステージでフォアグラを囲う騎士達の前に、ビフテキが姿を現した。

「皆様ご安心下さい。Dブロックの魔法少女達は私が安全な場所に避難させました」

 マイクを手に、ざわめく観客に向けてビフテキは言う。

「おおビフテキ、其方の仕業であったか!」

「ムニエル様がいる以上魔法少女達の無事は約束されているとはいえ、万が一に備え先手を打たせて頂きました」

「うむ、感謝する」

 ムニエルは信頼の表情をビフテキに向けた。

 直後、目にも留まらぬ速さでステージの側に降りた拳凰を騎士達が目で追う。

「よう教祖様。随分と早い復活じゃねーか。だが修行の成果を試すには丁度いい相手だ」

 拳凰はステージ上のフォアグラに、馴れ馴れしく話しかけた。フォアグラは眉一つ動かさない。拳凰はフッと笑うと、ビフテキに顔を向けた。

「おい妖精騎士団、お前らは手を出すなよ。こいつは俺にタイマンで戦わせろ」

「仰せのままに」

 ビフテキは畏まり、拳凰に跪いた。



<キャラクター紹介>

名前:コロース・ブッコロース

性別:男

年齢:享年36

身長:172

髪色:焦茶

星座:獅子座

趣味:ネットゲーム

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