第22話 褐色のシンデレラ

(……さて、これからどうすっかな)

 二人の魔法少女を倒して帰宅した拳凰は、自室で逆立ち片指立て伏せをしながら考えていた。

 魔法少女全員のスマートフォンには二次予選終了と最終予選が妖精界で行われることを伝えるメッセージが送信されおり、拳凰の帰宅後花梨はすぐにそれを拳凰に見せたのである。

(もう魔法少女と戦えねーとなると、またつまんねー日々に逆戻りだな)

 魔法少女との戦闘を重ねた拳凰は更に強さが増していた。今日は二人の魔法少女を同時に相手したが、無傷で勝利を収めている。既に二敗しているような弱小魔法少女など、最早敵ではなかったのだ。

 そんな状況で魔法少女とすら戦えなくなる。それでは拳凰は一体どこでその強さを揮えばよいのか。

 と、その時ドアを叩く音がした。

「ケン兄、ちょっといい?」

「どうした、チビ助」

 拳凰は空中で半回転して逆立ちをやめると、何事も無かったように平然と歩いて扉を開けた。

「さっきまたメッセージが来て、それがこういう内容なんだけど……」

 花梨は不安そうな顔をしながらスマートフォンの画面を拳凰に見せた。それは花梨ではなく拳凰に向けてのメッセージ。差出人は妖精騎士団の一人、乙女座バルゴのミルフィーユ。

「明日朝七時、加門公園に来いだと? 妖精騎士団め、ようやく俺と戦う気になったか」

 妖精騎士団はビフテキの指示により拳凰との戦闘を禁止されている。そのため拳凰とは極力顔を合わせないようにしており、運悪く自分の立ち会っている試合に拳凰が出現した場合はすぐさまその場から去るようにしていた。妖精騎士と戦いたがっていた拳凰にとっては、もどかしいことこの上ない話である。そういうこともあって、今回騎士団側から誘いが来たことは拳凰にとって願ってもみないことであった。

 ちなみに、フェアリーフォンを奪われていたカニミソはその命令を知らなかったため普通に拳凰に再戦を挑んでいる。

「ケン兄、本当に行くの? 前に妖精騎士の人と戦った時は腕とれて帰ってきたし……心配だよ」

「俺だってあれから更に強くなったんだ。心配はいらねえよ」

 そう言って拳凰は花梨の頭をぽんぽんと撫でると、ベッドに寝転がり目を閉じる。

 拳凰は明日に向けて体を休め、そして夜が明けた。


 朝七時、拳凰はメッセージの通り加門公園に来ていた。

 公園のベンチには二人の女性が腰掛けている。片方は白い肌にピンク色の髪。歳は見た感じ二十代で、西洋人のような顔立ち。もう片方は濃褐色の肌に銀色の髪。顔立ちは日本人のようであるが、肌と髪の色は日本人離れしている。幼げな顔立ちと裏腹に体つきはグラマーで、齢は大人にも子供にも見える。

 銀髪の女性はピンク髪の女性の肩にもたれかかってうとうとと目を閉じており、その様子は親子もしくは恋人のように見えた。

「約束通り来てやったぜ。どっちが妖精騎士だ?」

 拳凰は二人の女性に声をかける。結界が張られていたことには既に気付いていたため、彼女達が普通の人ではないことはわかっていた。

「私が乙女座バルゴのミルフィーユよ」

 二人の女性のうち、白い肌でピンクの髪をした方が言った。

「そうか、だったら早速やろうぜ」

「生憎だけど、貴方の相手は私じゃないわ。恋々愛、ほら起きて」

 身構える拳凰の前で、ミルフィーユは恋々愛の体を揺すった。恋々愛は目を覚まし、おぼろげな目で拳凰を見た。

「ミルフィーユ……おはよ……この人は?」

「彼が乱入男よ。さ、立って」

 恋々愛は暢気に大きな欠伸をした後、言われた通り立ち上がった。

「この子は私が担当する魔法少女の古竜恋々愛。この子が貴方の相手よ」

「何だそうなのか。俺は別に二人同時に相手してやってもいいぜ」

「私が貴方と戦うつもりはないわ。今日はこの子のトレーニングのために来たの。貴方と戦えば、この子はもっと強くなるはずだから」

「いいぜ、やってやるよ」

 更なる強さを求めるため、強敵に戦いを挑む。普段自分がやっていることを、今度は自分がやられる側に回った。拳凰はそれをとても嬉しく思っていた。

「こっちはもう準備できてるぜ。さっさとかかってきな」

「ちょっと待って。恋々愛はまだ変身してないの」

「ん? そうなのか?」

 確かに恋々愛の着ている服はどう見ても普通の私服であり、魔法少女であることを示す星座のブローチも無い。だが特徴的な髪の色をしていることから、拳凰はてっきりもう変身しているのだとばかり思っていた。

 恋々愛はスマートフォンを取り出し、あまり使い慣れていなさげなたどたどしい手つきで操作。

「マジカルチェンジ……」

 恋々愛の着ている服が粒子になって消え、そのダイナマイトボディが顕になる。拳凰は大きく目を見開いてガン見。そして変身後のコスチュームもこれまた殆ど裸同然な非常に露出度が高いものであり、やはり拳凰はガン見していた。

「ほー、ほぉー……随分とエロい格好してんじゃねーか」

 いやらしい目つきで、恋々愛の谷間や腰つきをじろじろと見る拳凰。

「そろそろ始めましょうか。恋々愛、相手は生身だから殺しちゃわないようにね」

「わかった……」

 恋々愛は斧を地面に突き刺し、丸腰になった。

「おいおい、武器を捨てる気か?」

「大丈夫……私、素手でも強いから……」

「舐められたもんだぜ。魔法少女から手加減されるとはな。だがすぐに後悔することになるだろうさ。俺はそう簡単には死なねーからいつでもその斧拾いに行っていいぜ」

 拳凰と恋々愛はベンチの側から広い場所に移動する。

「そんじゃ改めて……こっちは準備できてるぜ。かかってこいよ」

 拳凰が挑発すると、恋々愛はそれを受けて駆け出した。

「遅すぎんぜ!」

 拳凰はこちらも駆け出し、揺れる胸を凝視しながらすれ違った後、すぐさま体を恋々愛に向ける。

「まずはそのデカいケツ、引っ叩いてやるぜ!」

 後ろを取るや否や、恋々愛のお尻目掛けて平手打ちを繰り出した。

「スケベ心を出したら命は無いわよ」

 ミルフィーユが言う。恋々愛は素早く拳凰の手首を掴み、そのまま腕を高く振り上げ弧を描くように前方へと投げた。拳凰は空中で体を回転させてバランスをとり、ノーダメージで両足着地。

「やるじゃねーか」

「言っておくけど、恋々愛はまだ小学生よ。変な気を起こさないでくれるかしら」

「これで小学生とかマジかよ! てっきり十六くらいかと思ってたが……俺ですらそんくらいの背丈になったの中学ん時だぜ。まあ、いいさ。魔法少女が相手だっつーから少し遊んでやるつもりでいたが、これだけ強いなら俺も本気で行ってやる」

 拳凰は自分に気合を入れ直す。

「私は……負けない」

 恋々愛も拳凰と目線を合わせ、か細い声で言い放った。



 古竜恋々愛は、それなりに裕福な中小企業の社長の娘として生まれた。しかし物心つく前の乳児期に母親が死去。父親は仕事が忙しくて滅多に会いに来ず、専ら家政婦に育てられてきた。母親の顔を知らず寂しい日々を送ってきたが、とりあえずは美味しいご飯をお腹いっぱい食べられれば幸せだった。

 恋々愛が小学校に入る歳になると、父親は恋々愛を名門お嬢様学校に入学させた。しかしその特徴的な髪と肌の色も相まって、学校での恋々愛は浮いた存在だった。

 低学年の頃は周囲とさして変わらない体型であったが、学年が上がるにつれてみるみるうちに成長。同学年で一番最初にブラをするようになったのも恋々愛であった。

 同学年で背が一番高くて胸も一番大きく、やたら食べっぷりがよく給食を沢山おかわりする割に全く太らず、栄養は乳尻太ももにばかり行っているかのような体質。その上顔も天使のように可愛いとくれば、他の生徒から嫉妬を買うのも致し方ないことである。恋々愛はやがていじめのターゲットにされるようになり、またその体が原因で一部の男性教師からセクハラも受けるようになった。

 そんな最中、恋々愛が小四の時のこと。父親が仕事の関係で出会った女性と再婚することになったのである。それは恋々愛にとっても喜ばしいことであり、父の幸せを祝福し新しい家族を温かく迎えるつもりでいた。しかし父親は何を血迷ったか、「家事をしてくれる人ができたから」と、それまで恋々愛の親代わりをしてくれていた家政婦を解雇したのである。恋々愛はとても悲しんだが、きっと新しいお母さんは家政婦さんと同じくらい優しい人なんだと希望を持って生きることにした。

 だがその希望も、儚く打ち砕かれた。

「どうして私がこんな外人の子を育てなきゃいけないんだか」

 それが継母の口癖だった。継母はいつも恋々愛に対して辛辣に当たっていた。恋々愛に弟が生まれてからは、それは益々エスカレートした。かつてはあまり会えないながらも恋々愛のことを大切に思っていた父親は息子に夢中になり、次第に恋々愛をぞんざいに扱うようになった。

 継母に対しては苦手意識を持っていた恋々愛だったが、生まれたばかりの弟のことは好きだった。お姉ちゃんとして、沢山可愛がってあげようと思っていた。

「お姉ちゃんだよ……えへへ……」

 継母の目を盗んで弟を抱っこし、普段は滅多に見せない満天の笑顔。辛いことが多い日々の中で、数少ない癒しだった。

「キャーーーーッ!!」

 と、そこに響く金切り声。驚いた弟が泣き出した。声の主は言うまでもなく継母である。継母は恋々愛から弟を乱暴に分捕り、恋々愛を突き飛ばした。

「汚い手で触らないで頂戴。あんたみたいな子が近くにいるとこの子の教育に悪いのよ!」

 弟と触れ合うことすらも許されず、恋々愛の日々は窮屈になるばかり。

 窮屈なのはそれだけではない。成長期の恋々愛は、着ている物もみるみるうちに窮屈になっていった。

 それは小五の夏のこと。

「お母さん……またブラ、きつくなった……」

 胸の成長が著しく短期間で下着が合わなくなる恋々愛は、夕食を作っている継母に新しい下着の催促をした。

「はぁ? また?」

 継母の露骨に嫌そうな反応。これはまた怒鳴られるなと、恋々愛は経験則で察した。

「本っ当ムカつくわねあんた。まだ小学生なのにこんないやらしい体に育って……一体どんないやらしい母親から生まれたのかしら。大体恋々愛ここあなんて馬鹿みたいな名前、それだけで母親の頭の悪さが窺い知れるわ」

 自分のみならず母親のことまで悪く言われ、これには恋々愛も涙を堪える。

「ただでさえあんた大飯食らいで食費がかさむってのに、着るものまですぐ駄目にされちゃいくら金があっても足りやしない」

 自分が高い服やジュエリーばかり身に着けているのは棚に上げて、恋々愛のために金を使うことを渋る継母。彼女の浪費が原因で父親の会社が傾きつつあることを、恋々愛は子供ながらに察していた。

「そんなに自分の物が欲しかったら自分で稼いできなさいよ。どうせあんたの取り得なんていやらしい体しかないんだから、その体でも売ってこれば小遣いくらいすぐに稼げるわよ」

 継母の言葉の意味がわからずきょとんとしている恋々愛だったが、継母はその体を押して玄関まで行き強引に恋々愛を閉め出した。夕暮れを過ぎた暗い空、普通ならば子供を一人で外に出すような時刻ではない。

「十万稼いでくるまで家には入れないから。ほら、さっさと行ってきなさいよ」

 冷徹に言い放つ継母。鍵を閉められてどうすることもできず、恋々愛は仕方が無いので行く当てもなく町を彷徨うことにした。

(体を売るってどうすればいいんだろう……重い病気の子に内臓売ったりすればいいのかな……? 内臓無くなるの……やだな……)

 そんなことを考えていると、恋々愛のお腹が鳴った。バッドタイミングで継母に催促したために、夕食を食べ損ねてしまったのだ。

 お腹を空かせて夜の街を歩いていると、恋々愛は一人の男から声をかけられた。

「やあ、君一人? おじさんがご飯奢ってあげようか?」

 ご飯、と聞いて恋々愛は顔を上げる。男は見た目普通のサラリーマンといったところで、一見すると優しそうである。

「君高校生? 可愛いねー、スタイルもいいし。そうだ、おじさんとホテル行こっか。お金もあげるよー」

(あ、この人悪い人だ)

 恋々愛は本能で察した。逃げようとするも、変態男は恋々愛の手を掴み強引に連れて行こうとする。

「どうしたのー? おじさんいい人だよー」

 醜悪な笑顔が迫る。と、その時、突然何者かが変態男の手首を掴んだ。それと同時に力強く握り潰し、変態男は悲鳴を上げて恋々愛から手を離す。次の瞬間、変態男の体は空中で一回転し地面のアスファルトに背中を打ちつけられた。

「この男、犯罪者よ! 捕まえて!」

 華麗な早業で変態男を投げ伏せた女性がそう言うと、通りがかった人々が数名出てきて変態男を取り押さえる。そして一息つくと、恋々愛の方を見て微笑んだ。

「大丈夫?」

 透き通るような白い肌に、ふわふわしたウェーブのかかったピンク色の髪。その姿に恋々愛は不思議な衝撃を受けた。以前この人とどこかで会ったことがあるような、そんな感覚だった。

 彼女こそが妖精騎士ミルフィーユ。恋々愛にとっての運命の出会いであった。

「おなか……すいた……」

 ミルフィーユの手を握りながら、恋々愛は言う。

「だったらうちに来るといいわ。美味しいものを沢山作ってあげる」

 恋々愛の表情がぱっと明るくなった。この人は信用できると顔を見ただけで理解した恋々愛は、まるで疑うことなく手を繋いでミルフィーユについていった。

 ミルフィーユの自宅でお腹いっぱいの手料理を振舞われた恋々愛は、すっかりミルフィーユに懐いていた。恋々愛がミルフィーユから身の上を訊かれて話すと、ミルフィーユは涙を流して恋々愛をそっと抱きしめた。

「そう……ずっと辛かったのね……」

 その温かみに触れて、恋々愛は自然と目に涙が浮かんだ。

「でも大丈夫よ、これからは私がついてる。私が貴方を、本当のお母さんに会わせてあげるわ」

 恋々愛は顔を上げ、涙を拭ってミルフィーユの顔を見る。

「実は私はね、妖精界っていう異世界から来たの」

 ミルフィーユは自分自身のこと、妖精界のこと、魔法少女バトルのことを恋々愛に話した。

「魔法少女バトルで優勝すれば、貴方は本当のお母さんに会えるのよ」

「お母さんを……生き返らせてくれるの?」

「いいえ、魔法の力をもってしても死者を生き返らせることはできないわ。でも安心して。貴方のお母さんは生きているのだから」

「本当!?」

 自分の実母が生きている。その言葉は恋々愛に大きな希望をもたらした。心の中の霧が晴れ、全身から毒が抜けたような感覚。

「当たり前じゃない。私は貴方の願いを叶えるためにここに来たのだから。でも、その願いを叶えるためには貴方自身の頑張りが必要よ」

「私……頑張る!」

 気合は十分。そのやる気を見て、ミルフィーユは微笑み頷く。

「よく言ったわ。それじゃあ貴方を魔法少女にしてあげる。貴方なら絶対に優勝できるわ。なぜなら貴方は、最強の魔法少女なのだから!」

 そうして魔法少女となった恋々愛は、ミルフィーユの家をアプリに自宅として登録。実家を離れミルフィーユと共に暮らすこととなった。

 恋々愛の父と継母にはミルフィーユが記憶操作をかけ、恋々愛がいなくなったことに疑問を抱かないようにした。

 ミルフィーユの言う通り恋々愛の魔力は絶大であり、一次予選、二次予選共に全勝で勝ち上がった。

 そして今、恋々愛に更なる実戦経験を積ませるため、ミルフィーユは拳凰を誘い出し野良バトルを挑んだ。拳凰ほどの強敵が相手ならば、恋々愛のトレーニング相手には最適だと考えたからだ。


「うおおおおおおっ!」

 猛烈なラッシュをかける拳凰に対し、恋々愛はガードしつつ隙を狙う。

 恋々愛が掴みかかろうとしてきたところで、拳凰は素早くそれに気付き反射的に飛び退いた。

 拳凰が打撃主体であるのに対し、恋々愛は掴みと投げを中心としたスタイル。二人の格闘能力は、ほぼ互角であった。

 僅かな攻防で互いの力量を理解した二人は、付かず離れずの間を空けて睨み合う。

 少しして、恋々愛が動いた。だがそれは攻撃行動ではない。

「あなた強い……だから私、本気出す……」

 構えを解きノーガードになった恋々愛。拳凰はあえてそこを攻めず様子を見ていた。

 恋々愛が全身に気合を入れると、両手首と両足首に付けられた黄金のリングが二つに割れて地面に落ちた。

 麗羅戦ではリングを手で外していたため時間がかかり、その間蝙蝠の攻撃を受けっぱなしであった。それを受けてミルフィーユの指導の下、一瞬で外すすべを会得したのだ。

 リングが外れた途端、恋々愛の体から凄まじいまでの魔力が溢れ出した。

(何だこのパワーは……これまで戦ってきた魔法少女とは明らかに違う。カニホストより遥かに強えーぞこいつは!)

 武者震いする拳凰。とんでもない強敵の出現に、口角は自然と上がっていた。



<キャラクター紹介>

名前:古竜こりゅう恋々愛ここあ

性別:女

学年:小六

身長:170

3サイズ:96-59-94(Gカップ)

髪色:銀

髪色(変身後):銀

星座:乙女座

衣装:部族風ふんどしビキニ

武器:大斧

魔法:短距離間の瞬間移動

趣味:ぼーっとする

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